カテゴリー別アーカイブ: 相続税

土地の相続税は経費に落とせるか

2014年1月22日

相続で取得した土地を3年以内に売った場合は
所得計算の際に
土地分の相続税を取得費に加算することができます。

相続税を経費に落とせる、ということです。
その分譲渡益が減るので税金が減ります。

「3年以内」というのは
相続税の申告期限から3年以内という意味ですから、
相続開始日(ふつうは死亡日)の翌日から3年10カ月以内に売却した場合に限られます。

というわけで
相続した土地を近いうちに売るつもりなら
3年以内に売った方がお得かもしれません。

これは「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」というものですが、
27年1月1日以後に開始する相続又は贈与により取得したものについては改正があります。

改正内容は、
 取得費に加算する相続税は、
 売った土地に対応する分だけにします
というもの。

そりゃそうでしょうね。
という感じなのですが。

では現在はどうなっているかというと、
 取得費に加算する相続税は、
 その人が相続した全ての土地に対応する分でいいですよ
ということになってるのです。

A土地とB土地を相続し、相続税を払って、
それから3年以内にA土地だけ売って譲渡所得を申告する場合、
A土地の取得費に
B土地を相続するために払った相続税も加算できるのです。

これ、B土地の方が財産価値が高い場合はかなり有り難い特例ですよね。

なぜか土地だけは太っ腹(?)だったのです。
私の受験時代にもこの特例はあり、
試験対策の要注意ポイントでした。

今回改正が入りますので、
26年12月末までに開始した相続により取得した土地は太っ腹な現行法の適用となります。

しかし未だになんで土地だけこんな風にしてたのかわからん。

非上場株式の価値を下げる一つの手

2013年9月17日

この前受けたセミナーが面白かったのでその一部を少し。

亡くなった故人が会社を営んでいた場合などは、非上場株式を相続することがあります。

非上場株式というのは、上場してない会社の株でして、
相続税の申告をする際、これの財産価値を評価するのは結構面倒なのです。

自分とその親族等が、その会社の株のほとんどを持っている場合は、
たいてい『類似業種比準価額方式』か『純資産価額方式』、あるいは両方を併用した方法により評価します。

『類似業種比準価額方式』とは、その会社がもし上場したら、、、と考えて評価する方法。
一方『純資産価額方式』は、その会社が解散して会社の財産を株主に分配するとしたら、、、と考えて評価する方法。

ちなみに株を少数しか持っていない場合は『配当還元評価方式』という
その会社から受けられる配当金額を元に計算します。

ここで、『類似業種比準価額方式』ですが、その名の通り、上場している類似業種の数字が計算要素となります。
この計算要素については国税庁で公表されており、
配当金額、利益金額、簿価純資産価額、株価が一覧になっています。

一番影響が大きい要素は”株価”です。
もちろん必ずしもそうとは限りませんが。

業種目別株価等を見てみるとわかりますが、業種によって金額に差があります。
広告業なんかは700円前後だから高いですね。
卸売業は100円から200円くらいですので低い方と言われています。

いざ評価するときは、その会社の業種に当てはまる業種目の欄から数字を持ってくるわけですけれども、
違う業種を兼業しているときは基本的に総取引金額に対する割合が50%超の業種で当てはめます。

実はここに節税できるポイントがあります。
ようは業種目別株価等の金額が低い業種の売上をあげるか、
業種目別株価等の高い業種の売上を押さえれば良いわけです。
そうして非上場株の評価を下げて相続税も下げる、と。

まあ、兼業している業種の売上が均衡している場合とかじゃないと使えないですが。
タイミングもありますしね。

そのほかにも業種目の当てはめには様々複雑な判定がありますので、
ここは専門家の頑張りどころかもしれません。

最高裁の判決で変わる相続の常識 

2013年9月5日

昨日、最高裁がすごい判定を下した。

以前このブログでも、
愛人の子供など(非嫡出子)は、正式な婚姻関係の間に生まれた子(嫡出子)の2分の1が法律上の相続分、という話をしました。

これは民法に規定されていましたが、
違憲であるとの判断を最高裁がしたのです。
しかも裁判官14人全員一致で。

つまり、結婚した夫婦の間に生まれた子も、愛人の子も、事実婚カップルの子も、相続分は同じとなったのです。
(もちろん正式な婚姻関係がなければ、男性側は子どもを認知する必要があります)

そもそもこの件について東京と和歌山で裁判がされていたことが発端のようであります。

今回の判定を受けて民法も改正されるようですが、
最高裁の判例は、事実上の法的拘束力があるので、
民法改正前でも今後発生する事例には適用されることになるとか。

こういった税金の常識を大きく覆すような判定は衝撃がはかり知れません。
明日申告期限だ、という人はかなりびびったのでは。
税理士の中でもクライアントの相続税の再計算を始めているところが多いのではないでしょうか。

今回の判決の前に完了している相続には適用がないので過去を蒸し返すことはなさそうですけれども。。。

たしかに、子供側からすれば自分が嫡出子かどうかなんて選べないしなあ。

その土地は埋蔵文化財の包蔵地か

2013年8月1日

最近相続の本を読んでいるので相続の話が多いですが、
「埋蔵文化財包蔵地」の評価を初めて知りました。

そもそも埋蔵文化財とは
集落跡・貝塚・古墳・古窯跡・寺院跡などの遺跡と、
土器・石器・木器・金属器などの遺物を指すようです。

これが地下に眠っていると周知される土地(「周知の埋蔵文化財包蔵地」と言います)で土木工事を行おうとする場合は、
文化財保護法の規定により
着工60日前までに市役所等へ届出しなければなりません。

しかも、その届出により発掘調査が必要とされた場合には、
発掘調査費は開発事業者等が負担することになっています。
通常は土地所有者負担となりますでしょうか。(ひどーい)

というわけで、
相続した土地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するため、
その土地の評価を、
原則の評価額から埋蔵文化財の発掘調査費用の見積額80%を控除した金額とすることを認めた裁決が
平成20年9月25日にありました。
(土地の評価額が下がる⇒税金が減る)

この裁決以降、実務では同様の事例に該当する場合に発掘調査費用額の80%を控除する方法が採られているようです。

そりゃあ普通の宅地と同じように評価してもらっちゃ困りますよね。

そういえば実家の近くにも貝塚がありました。
愛知県西尾市のホームページの都市計画情報提供サービスに『6 埋蔵文化財図』というのがあったので調べてみました。
白っぽいピンクのところが埋蔵文化財エリアです。

しかしこれはすでに発掘調査された場所なのかしら…?
この地図も最新版ではありませんし、
「周知の埋蔵文化財包蔵地」の範囲も調査等で日々変わってきたりするようですので
土を掘り返すときは市役所で確認するのが確実ですね。

相続対象となる土地が埋蔵文化財包蔵地かどうか
ちょっと気に留めておくとよさそうです。

埋蔵金だったらいいのに。。

犬神家の相続対策

2013年7月30日

今日も引き続き犬神家について考えてみましょう(勝手に)。

犬神佐兵衛さんは、赤の他人である珠世さんに全財産を譲りたかったようです。
面倒な条件は付いてますが。

珠世さんが財産を相続した場合、
法定相続人である佐兵衛さんの3人の娘から命を狙われるより先に
遺留分の減殺請求をされる可能性があります。

財産が現金なら良いですが、
犬神家の財産は三種の家宝やら事業やら、分けにくく換金しづらいものが多そうです。

分けられない財産は、基本的には共有で所有することになります。
持分は珠世が1/2、
3人の娘がそれぞれ1/6です。

ところが共有財産というのは管理が面倒です。
何をするにも共有所有者の全員に確認して配分しなければなりません。
3人の娘はねちっこそうですから、珠世さんはたまったものではありません。

こういった場合、財産を共有所有する代わりに、
現金でその財産の持ち分を支払う方法もありますけれども、
相続財産に現金がほとんど無ければ借金をして支払う等になります。

珠世さんの悩みは尽きません。

やはり死んでからでは対策できないのが相続です。

佐兵衛さんの相続対策として、
 ・生前にできるだけ不動産や株などは売却し現金化しておく。
 ・生前に3人の娘にある程度贈与して、遺留分の放棄をしてもらう。
などが挙げられると思います。

遺留分放棄がされていれば、
佐兵衛さんの遺言どおり珠世さんが財産相続しても、
3人の娘から遺留分の減殺請求をされることはありません。

遺留分放棄は家庭裁判所の許可が必要です。
許可を得るための申立ては、もちろん遺留分の権利を持つ3人の娘の意思によるものではなりませんから、
佐兵衛さんが生前頑張って娘たちを説得するべきでした。

他にいい相続対策が思いついたらまた書きます。

『犬神家の一族』、テレビでやらないかなー。

犬神家の遺留分

2013年7月29日

壇蜜さんが表紙の「終活読本ソナエ」をこの前立ち読みしました。
面白かったから買おうかなあ。

何が面白かったかというと、犬神家を例にした相続の話です。
金田一耕助シリーズの中でも有名な『犬神家の一族』。

財界の大物であった犬神佐兵衛が残した遺言により、
莫大な遺産をめぐって一族の相続争いが起こり殺人事件が、、、というような話ですね。。

犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)は正妻を持たなかったそうですから、
登場する3人の娘は佐兵衛さんの愛人か妾の子供であって、認知はしていたのでしょう。

もう一人、愛人の子供(静馬)の存在がありますが、こちらは認知されていたかちょっとわかりませんね。
いちおう認知してなかったとして続きを考えます。

愛人の子供が認知されていない場合、相続人に該当しませんので、法定相続分(法律上の相続分)はゼロです。

認知されていれば、正式な婚姻関係のもとに生まれた子供(嫡出子)の1/2が法定相続分です。

佐兵衛さんは奥さんもいませんし、子供に嫡出子はいませんから、
法定相続人は3人の娘のみ。
法定相続分はそれぞれ1/3ずつになります。

静馬はゼロですね。

しかし、犬神佐兵衛には3人の娘がいたのにもかかわらず、遺言書では彼女たちに相続させる旨を全く書いていなかった。
その代わり、赤の他人である恩人の娘(珠世)に条件付きでほとんどの財産を譲るような内容でした(条件付き遺贈ですね)。

このように、法律上の相続人が、法律により相続できる分を第三者に取られてしまった場合は、遺留分の減殺請求というのができます。
犬神家の3人の娘の場合、請求できるのは本来の取り分の1/2ですから、それぞれ1/6となります。

だから骨肉の争いをせずに、遺留分の減殺請求しておけばよかったんじゃ?
1/6でも相当の額だったろうに。
ていうのが雑誌の話だったかと思います。
違っていたらごめんなさい。

それにしてもこの遺言書、争えと言わんばかりの内容です。
犬神家の血を絶やしたくなかった、というのは汲み取れるものの。。。
珠世さんもさっさと相続放棄すればよかったんじゃ?誰かに止められたんだっけ?
あとは、事前に遺留分放棄させておくとか。。。

遺留分放棄についてはまた次回に。

へそくりは誰のもの

2013年1月23日

平成25年度の税制改正大綱が発表されたようですね。

最近『必ずもめる相続税の話』という本を読みました。
発行は2012年12月20日。
今回の税制改正で相続税増税が決定されるであろう前提で書かれている旬な本です。
(1月24日に発表された大綱によると基礎控除の引き下げは本書のとおり。小規模宅地等の特例は本書より適用範囲が拡がりました。)

マイホームと預金が相続の際どうなるかに焦点を絞っています。
必ずもめる相続税の話

専業主婦があらゆる節約術を使って家計をやりくりし、余ったお金を自分名義の口座にこっそり貯めこんでいたら。。。
⇒「その口座のお金、もともとは旦那さまが稼いだお金ですからあなたのものじゃありません。
旦那さまが亡くなったら相続税の対象になりますよ奥さん

というような話です。
あ、他にもいろいろ書いてあります。

親が子どもの将来を案じ、子ども名義の口座を作ってそこにお金少しずつ入れていたなんて場合も、
何も手続きをとっていなければその口座のお金は子どものものでなく親のもの。

預金については口座名義に関係なく、
・誰が稼いできたお金なのか
・実際に、通帳や印鑑・カードなどを持ち、預金を自由に出し入れしたり、使ったりしていたのは誰か
で真の所有者が誰かを判断します。
(本文引用)

だから親が死んだあと遺品を整理していたら全く知らない自分名義の通帳が出てきて、、、というときは自分のものだと思っちゃいけないわけですね。
税務署は預金の動きを調べることができますから。

昼メロみたいに楽しく?読めます。
でも笑ってられないところまできているのかもしれません。