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2020/5/20
「これまで税理士や社労士に給与計算をお願いしていたが、
自社(自分)でやることにした。」
クラウド会計の浸透に伴い、
クラウドソフトで給与計算を行う会社も増えてきたようだ。
従業員が数人、あるいは自分だけ、というスモールビジネスであれば
無理なことではない。
可能な範囲、といえなくもない。
しかしながら、
間違いもある。(やっぱり)
しかも、同じところで間違える。(不思議なことに)
そんなわけで、今回はよくある間違いを3つ紹介する。
自社(自分)の計算が、同じ間違いをしていないか確認してほしい。
1.役員なのに雇用保険を天引きしている
そもそも雇用保険というのは、雇用されている側である従業員が加入するもので、
雇用する側の役員は加入できません。
代表取締役や監査役は原則加入できません。
また、ある程度の規模以上の会社ですと、
役員のなかに「使用人兼務役員」といった従業員と役員を兼務する人がいて、
雇用保険に加入できる場合もありますが、ハローワークに別途届け出が必要です。
そんな届出をした覚えがなければ、役員は雇用保険には入っていません。
雇用保険の設定は、
どの給与ソフトでも、社員の基本情報登録の画面のなかにある社会保険の設定箇所で行います。ソフトにより用語が異なることがありますけれども、
加入or非加入の選択肢であれば→非加入
対象or対象外の選択肢であれば→対象外
として設定します。
そして、役員の給与明細書で雇用保険料が天引きして計算されてないか確認しましょう。
2.健康保険・厚生年金保険の天引きタイミングがずれている
健康保険・厚生年金保険料は翌月徴収・翌月支払が原則です。
4月に健康保険・厚生年金に加入したら、
4月分の健康保険・厚生年金保険料から支払義務が発生しますが、
給与から天引きするのは5月支払分の給与からです。
つまり、5月支払分の給与から、4月分健康保険・厚生年金保険料を天引きするのです。
これが翌月徴収です。
そして、天引きした4月分健康保険・厚生年金保険料は、会社負担分と合わせて
5月末に会社が年金事務所へ支払います。
これが翌月支払です。
この1か月のずれに注意してください。
加入月と退職月は特に注意が必要です。
そして、給与金額の変更があったときに、
月額変更届を提出し、標準報酬月額が変更されますが、
変更後の標準報酬月額による健康保険・厚生年金保険料は、
給与金額の変更があった月から数えて5ヶ月目の給与から天引きします。
たとえば、15日締め25日払いの会社の場合。
7月給与から昇給した場合、
8・9・10月の給与支払金額を書いて月額変更届を提出します。
すると年金事務所から
11月分から標準報酬月額○○千円で健康保険・厚生年金保険料を計算するよう通知が来ます。
11月分の健康保険・厚生年金保険料は、翌月の12月支払分の給与から天引きしますので、
12月給与から健康保険・厚生年金保険料の天引き金額を変更して
給与計算を行うことになります。
いわゆる”月変対象”に該当したとき、
給与金額が変更してから、
かなり時間が経ってから健康保険・厚生年金保険料の変更となりますので、特にご注意ください。
(保険料の変更自体も忘れないように)
定時変更のときも、もちろんご注意を。
3.以前の給与を登録していない
これには年末調整に影響します。
◆一つ目のパターンが、
その給与ソフトを使用する前に支払った分を登録していない。
年の途中から給与ソフトを使い始めた場合は、
その年の1月分からの給与金額を登録しておきましょう。
年末調整は、その年の1月から12月までの支払給与を基に計算しますので。
◆二つ目のパターンが、前職の給与を入れていない。
これは年末調整をするときに、入力すればよいのですが、
設立1期目の代表者に多い間違いです。
その年の1月から設立するまで、別会社で勤務しており給与をもらっていた場合は、
その別会社から源泉徴収票をもらって、
金額を入力する必要があります。
年末調整の画面の中に「前職の給与」といった部分があるはずですので、
そこに入れてください。
***
よくある間違いのトップ3(当社比)でした。
このほかにもあるかもしれませんけど、あげたらきりがないので・・・
最初の雇用保険料の間違いについては、
「役員・役員以外」の設定が最初に必ずあるはずなので、
給与ソフト側で「役員ですが雇用保険加入でOKですか?」みたいな
注意が出てもいいと思うんですけど。
(そういうソフトもあるのかな?)
以前は、税理士や社労士に計算してもらっていた、というのなら
その以前の計算と見比べてチェックするのもおすすめです。
社会保険料率や所得税率は変わりますが、
天引きのタイミングや入力必要か所などは同じことが多いので。
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[…] 前回、給与計算によくある間違いを紹介したが、実際に間違えていた場合にどうすればいいのかを知っておくのは大事だ。 […]