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2020/5/5

今回は、5月1日より申請開始となった持続化給付金の話。

なかでも、2019年に開業した個人事業主について注目してみる。

そもそも、
持続化給付金というのは、
コロナの影響により売上が落ちた事業者が
国から上限100万円までもらえるお金のことである。
(法人は200万が上限)

そして、
給付金を受け取ることができる事業者の要件は次の通り。

(1)2019年以前から事業収入(売上)を得ており、今後も事業継続意思があること。

(2)2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること

※給与収入、不動産収入、雑所得等は除く

    

2019年に開業した個人事業主で、今後も事業を続けていくつもりがあるなら
(1)の要件はクリアしている。

    

次に(2)の要件はどうだろうか。

前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること」とある。

つまり、対象月を1月とするなら、2019年1月と2020年1月の売上を比較して、
2020年1月の売上が、2019年1月売上×50%より少ないと要件クリアとなる。

しかし、2019年の6月以降に開業した事業者などは、
2020年5月現在、前年同月に比較できる売上が存在してない。

これでは要件をクリアできない。

そんな2019年開業者のために特例(新規開業特例)が設けられており、
この特例の要件をクリアすれば、給付金をもらうことが可能
だ。

この新規開業特例では、通常の持続化給付金と

・要件
・給付額(もらえるお金)の計算方法
・申請書類

が異なる。
ではそれぞれ見てみよう。

    

     

●新規開業特例は要件が違う

    

上にも書いてある通り、通常の要件は次の通りでした。

(1)2019年以前から事業収入(売上)を得ており、今後も事業継続意思があること。
(2)2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在すること

新規開業特例では、
(2)の要件が違います。

2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、2019年の月平均の事業収入より50%以上減少した月(対象月)が存在すること

   

つまり、前年同月ではなく、前年の月平均と比べるのです。

   

具体例で考えてみます。

まず2019年の月平均の事業収入を計算します。

開業月は操業日数にかかわらず1か月とみなすとされていますので、
2019年の年間事業収入96万÷6か月(7月~12月)=16万円
となります。

次に、2019年の月平均の事業収入16万円より50%以上減少した月が2020年にあるかを検討します。

2020年で一番下がっているのは4月の4万円ですので、
4月を対象月として比較します。

2019年の月平均16万×50%=8万 > 4万(4月の事業収入)

よって、この例では要件をクリアできます。

   

   

●新規開業特例は給付額の計算方法が違う

   

持続化給付金の給付額(もらえるお金)は、
通常は次のように計算した金額になります。

2019年の年間事業収入-対象月の事業収入×12=給付額(上限100万)

    

新規開業特例では、次のように計算します。

2019年の月平均事業収入×12-対象月の事業収入×12=給付額(上限100万)

   

さきほどの具体例では、
通常の計算方法だと
96万-4万×12=48万円 になってしまいますが、

新規開業特例を使えば、
16万×12-4万×12=144万円→上限100万円 となります。

この差は大きいですね。

    

    

●新規開業特例は申請書類が違う

   

持続化給付金の通常の申請書類は次の4種類です。

(1)2019年分確定申告書第一表控え、青色申告決算書の控え
(2)対象月の月間事業収入がわかるもの
(3)申請者本人名義の振込口座の通帳の写し
(4)本人確認書類

※白色申告の場合、(1)の書類は2019年分確定申告書第一表控えのみです。

新規開業特例は、上記4種類に追加して

(5)個人事業の開業・廃業等届出書または事業開始等申告書

を提出します。

「個人事業の開業・廃業等届出書」は税務署へ提出した開業届ですね。
これがあればOKです。

「事業開始等申告書」は都道府県に提出する個人事業税の書類です。
開業届は紛失したけど事業開始等申告書は手元にある、という人はこちらを使ってください(こちらのほうが無いケースが多いと思いますが)。

どちらの書類も、
開業日2019年12月31日以前かつ提出日2020年4月1日以前のものが必要とされていますけれども、届け出期限を守って提出していれば、これは問題ないでしょう。

もし、
「個人事業の開業・廃業等届出書」も「事業開始等申告書」もない・・・
という場合は、
「開業日、所在地、代表者、業種、書類提出日の記載がある書類」を代わりに申請書類とします(給付に時間がかかるそうです)。

   

    

●さいごに

   

持続化給付金の要件・給付額・申請書類について、
通常と新規開業特例の違いを見ていきました。

2019年に開業した人で、新規開業特例を使わなくても
要件クリアができ、支給金額も満額100万もらえるような人は
通常の方法でも申請できます。

また、申請期間は2020年5月1日から来年2021年1月15日までです。
5月以降のほうが売上減少し、給付額が上がりそうなケースなどは
急いで申請せずとも少し様子をみてもいいかもしれません。

ちなみに、申請書類のひとつである確定申告書第一表控えには
税務署の収受印が必要と書いてありますが、
e-taxで提出している場合は「メール詳細」と書いてある税務署の受信通知を一緒に出せばOKです。

さいごのさいごに、
持続化給付金の申請は、
経済産業省の持続化給付金ページからオンラインで申請します。

このページに申請要領などもまとまっていますのでご確認ください。

また、オンライン申請するときの入力方法等の動画(経済産業省公式)が公開されています。


こちらもご参照ください。

   

    

***

2019年に開業された人はけっこう多いと思うので、
注目して書いてみました。

2020年に開業された方は、
残念ながら持続化給付金の給付対象ではありませんので
他の支援策の利用を考えてみてください。

次回は2019年に設立した法人に注目してみようと思います。

それにしても、経済産業省の中の方々、GW中もフル稼働ですね。おつかれさまです。

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