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2022/4/19
相続で財産をもらってない人にも、
税務署からおたずね文書が届くことがあるらしい。
遺言執行者が相続財産の管理処分権限により不動産を売却したときなどは。
●相続した不動産を現金化してわけるときは
相続財産に土地や建物などの不動産があるときは、
売却して現金にしてから相続人間で分ける方法があります。
遺言書に書いてあるときは「清算型遺贈」や「換価遺贈」などと呼ばれ、
相続人同士の話し合いで決めるときは「換価分割」と呼ばれます。
これ、相続人の手元に入ったときは現金になっているので
あたかも故人から現金をもらった(相続した)ように感じます。
しかし相続時点(原則は故人の亡くなった日)では不動産だったので、
相続人がもらったのは現金ではなく不動産です。
よってこのもらった不動産を売って利益が出た場合は、
相続人は不動産の譲渡所得を申告しなくてはなりません。
●遺言執行者がいる場合の清算型遺贈の登記
遺言書に遺言執行者が指定されている場合は、
遺言執行者が遺言書の内容に基づき
故人の財産の調査・処分や手続きなど
相続に必要なことをやってくれます。
「私の財産は全部現金化してAとBで2分の1ずつ分けてください」といったような清算型遺贈の遺言があれば、
遺言執行者が口座の解約やら不動産の売却処分などを行い、
AさんとBさんに2分の1ずつ現金をわたす、ということになります。
ここで問題なのが、不動産の登記です。
清算型遺贈により遺言執行者が不動産の売却を行うときは、
最初に「法定相続人が相続により不動産を取得した」という登記をしたうえで、
「法定相続人が売買により不動産を買主へ売った」という登記をします。
さきほどのAさんBさんが法定相続人以外の人である場合、登記上はAさんBさんの名前は出てきません。
逆に、財産をもらっていない法定相続人のCさんの名前が出てきます。
登記上では、
法定相続人のCさんが不動産を相続して売却したように見えてしまうのです。
●税務署は法定相続人に尋ねる
税務署は登記情報をチェックしています。
不動産の所有者名義が変われば、
収入があったのでは?と確認してきます。
『譲渡所得がある場合の確定申告のお知らせ』を送ってくるのです。
ただ、税務署としては
「不動産の売却益があるときは申告してくださいね。売却益が出てないときは返信用ハガキに書いて送ってくださいね。」
と案内しているだけなのですけれども、
財産をもらっていない法定相続人には訳が分からない。
なんで税務署はこんなことを聞いてくるのか。
変な疑いをかけられたように感じる人もいるでしょう。
遺言執行者は、財産を取得した人に譲渡所得の案内をするとともに、
財産を取得してない法定相続人にも登記の説明をしてあげるといいのかなと思います。
***
≪あとがき≫
この遺言執行者が行う清算型遺贈の不動産登記、
最初お話を聞いたときは「そんなことある???」と信じられませんでした。
手続き上はいったん法定相続人が財産を取得したとするしか第三者の遺言執行者が登記することができないのでしょうけども。
遺言執行者の名前・住所も登記に載せるようにして、
問い合わせは遺言執行者へ行くようにできないものかな?とも思いましたが。
でも遺言執行者が譲渡所得税の納税義務を負うわけでもないのだから
それはそれでちょっと違うのかしら。うーん。
遺言執行者が譲渡所得税だけ切り取って申告することもできませんしね。
税理士が遺言執行者だったら
追加で確定申告代理を相続人から受託するのがいいのかもしれませんが。
≪さいきんのあたらしいこと≫
・Johnnivan(かっこいいね)
・仙台法務局(建物りっぱ)
・panya芦屋さんの高級食パン(いただきもの。ありがとうございました)
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