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2021/10/24

変動料金制とは、ダイナミックプライシングとも呼ばれる。

ダイナミック・プライシング(Dynamic Pricing)とは、商品やサービスの価格を需要と供給の状況に合わせて変動させる価格戦略。
商品やサービスの価格について、一定の標準価格を設定し、その商品・サービスの売れ行きにより価格を随時変動させる仕組みである。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

    

変動料金制は、航空業界とホテル業界で最初に広まったらしい。

そのほかにも、
3月-4月の引越業界や、
海水浴シーズンの海辺の駐車場などでも見られる。

   

日本のホテルでは、アパホテルが変動料金制を導入してるのが有名だ。

アパホテルの料金変動幅はわりとえぐい。いや、けっこうえぐい。
同じ部屋の料金が3000円から30,000円くらいまで変動する。

個人的な経験では、
数年前に東京のアパホテルを利用したとき、
他のホテルより少し料金が高いのにサービスは大差なく、
「むしろ部屋狭いやんけ」という不満が残った。

これは、
私が利用したときの周辺ホテル需要に応じて料金が上がっていたのであって、
サービスや施設の良さで料金が上がっていたわけではないからだ。

    

一方で、固定料金制といえば東横インである。
変わらない料金で変わらないサービスを受けることのできる東横イン。
ビジネスホテル比較サイトでは東横インの満足度はアパホテルより高く、だいたいトップである。

   

固定料金制のほうが個人的には安心感があり好きだが、
どちらが正しいとは言えない。

    

東横インのホームページに掲載されている営業報告書によれば、
2021年3月期の決算では75億の赤字だった。

ところが、アパホテルの2020年11月期決算では9億の黒字を保っている。

決算時期が多少ずれてはいるが、

コロナ禍でも黒字を確保できるのは、
常時から周囲の状況に合わせて柔軟に対応できる体制をとっているから、
とも考えられる。

だから企業の事業戦略としても、
変動料金制をとることは悪いことではないのだろう。
(もちろん決算の結果が、すべて料金制度に起因するわけではないけれど)

   

ただ、あまりに料金変動の幅が大きいと、利用者からの反感は買うことになる。
需要が高まったせいで高いホテル代を払ったとはいえ、
受け取るサービスは同じだからだ。

それどころか、需要が高まっているときは混雑しているだろうから、
いつもよりサービスが悪くなる可能性だってある。

    

   

消費者として、変動料金制との付きあい方を考えると、
まず最初に、『その仕組みを知っておく』ということが挙げられると思う。

つまり、このサービスは需要に応じて料金が変動するのだと。

タイミングがずらせるのであれば、料金が低くなっている時期を選択するのだ。

   

第二に、『相場観を身につける』ことも挙げられる。

ここで言う[相場観]はあくまで、モノの適正な価格。
通常はいくらぐらいで受けられるサービスなのか、ということだ。

これはネットである程度調べることができる。

だいたいの適正価格がわかれば、
何割増しになっているかを把握できる。

その割り増しが自分の許せる範囲なら問題ないし、
許せない範囲なら別を探すかやめればいい。

高い料金を奮発して払えば、払った分の見返りを期待してしまうものだ。
しかしながら変動料金制のサービスでは料金に応じたサービスは返ってこない。

お金も気持ちも損してしまう。

だから第三に『〇割増し(あるいは○○円)までなら許せるというラインを決めておく』こと。

     

やはりお金は気持ちよく払いたい。
気持ちよく払って、気持ちよく過ごしたいのだ。

後悔しないラインをあらかじめ自分で決めておくといいのではないだろうか。

イベント前の気持ちが盛り上がっているときは判断を誤ることもあるので、事前に決めておくのがいい。

     

     

   

今年の東京五輪期間中に、首都高速の料金が1000円アップした。
これは混雑緩和の目的で行われ、
実際に渋滞は緩和された。

道路料金に変動料金制を用いるのを『ロードプライシング』というらしいが、
今後も導入することが検討されている。

道路以外にも、変動料金制はもっと広がっていくかもしれない。

   

そもそも、売り手側から考えると、
”値決め”というのは非常に難しいもので、
さらに固定料金として一度決めてしまうと変更するのは様々な配慮がいる。

   

一方の変動料金制というのは、周辺需要等の要因から料金を決定しなければならないので簡単ではないが、
過去の実績やイベント・天気などのデータを用いたAIによる分析で、
都度そのときの”売れる料金”を算出することは既に行われており、

以前より使いやすくなっているのではないだろうか。

分析の精度が上がり、その分析システムの料金が安価になってくれば、
変動料金制を取る企業の方はさらに増えるのかもしれない。

    

   

それでも、
個人的にはやはり固定料金制の方が信用できる。

変動料金制が好きになれないのは、
値上げの根拠が”需要の高まり”だからだろう。

つかめない空気にお金を払うような、どこか虚しさを感じてしまう。

できれば振り回されたくないなと思うのだ。


なので、適度な距離を保って、お付き合いさせていただきたい。

    

  

***

≪あとがき≫
私は高いお金払ったら、高いサービスや高い効果を期待しちゃいます。

変動料金制ではなく、早割り制であれば早く売上を確保できるという企業側の値引き根拠がわかるからいいんですけどねえ。

アイキャッチ画像は息子の縄跳び用袋。車や飛行機が描いてあったのでなんとなく。。

≪さいきんのあたらしいこと≫
・鯛きちのたい焼き(小倉あん)
・山野楽器仙台店
・蝦夷鹿の焼肉
・仙台エスパルのエビアン
・チャットワーク

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