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2020/11/10
本日は”ギャンブル”の話です。
＊＊＊
所得税の所得区分の分けるポイントのひとつに
「利益が出ているかどうか」がある。
最高裁平成29年12月15日判決により、
これまでは『一時所得』とされていた競馬馬券の払戻金が、
利益発生の状況等に応じて区分されることとなった。
『一時所得』というのは、
ビジネス以外のたまたまもらった収入などが該当する。
”ギャンブル”で儲かった収入は一時所得なのだ。
しかしながら
先ほどの競馬の最高裁判決があり、
『雑所得』として認められるケースも出てきた。
言い換えれば
”ギャンブル”がひとつの”投資ビジネス”として認められるケースも出てきた、
ということになる。
それではどのような場合が『雑所得』として認められるのか？
国税庁ではこう述べている。
具体的には、
馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100％を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は、雑所得に該当すると考えます。
「・・・すこし具体的すぎないか？」
（わたしもそう思いました）
何が言いたいかというと、
”ギャンブル”が雑所得となるケースというのは限定されている、
ということである。
つまりこの限定的なケースに当てはまらなければ
「これまで通り一時所得でよろしくどうぞ」
ということになったのである。
勘違いしてはいけない。
『一時所得』と『雑所得』。
その所得区分でなにが変わるのだろうか。
一番大きく変わるのは
「外れ馬券の購入費用が必要経費として控除できるか」であろう。
『一時所得』では、
外れた分の賭金（外れ馬券の購入費用など）は必要経費にならない。
先日、スポーツベットに関する判決内容を専門誌で読んだ。
回収率が100%を超えず（どの年も90%台だった）、
結果、『一時所得』とされた。
個人的な見解になるけれども、
この回収率が複数年を通して100%を超えているか、というのは
所得区分を分ける上での
重要ポイントではなかろうか。
※回収率＝払戻金額／賭金の総額
最高裁判決の事例以外にも、
数々のギャンブル関連の所得区分争いがある。
そのなかで『一時所得』とされたものは、
・複数年の実績を見ると回収率がトータルで100%を超えてない
↓
・営利を目的とする継続的行為から生じた所得とは言えない
↓
・『雑所得』ではなく『一時所得』
↓
・外れた分の賭金は必要経費にならない
という流れの内容が目立つように思う。
これらの『一時所得』とされたケース、
回収率が100%以下のため、
トータルで負けているのだから手元のお金は減っている。
それなのに、
『一時所得』となれば
勝った部分だけスポットが当てられ税金が課せられるので
さらにお金が減る。
踏んだり蹴ったりである。
”ギャンブル”と”投資ビジネス”は、やり方次第でどちらにもとれる。
しかし、
一般的に”ギャンブル”とされる枠組みで”投資ビジネス”を行うのと、
一般的に”投資ビジネス”とされる枠組みで”ギャンブル”を行うのとでは、
税金上は雲泥の差だ。
”ギャンブル”の枠組みの中で”投資ビジネス”をするのであれば、
確実に利益を上げることができると客観的に評価し得るだけのシステムと、
継続的に利益をあげた実績を残さなくてはならない。
そうでなければ、
金は残らない。
そうでなければ、
負けているのだ。
きみは、賭けに勝てるだろうか？
＊＊＊
≪あとがき≫
FXについては、
「一般的に”投資ビジネス”とされる枠組みで”ギャンブル”を行う」ものじゃないでしょうか。
もちろん確実に勝てる方法でやっている人もいらっしゃいますが。
FXは分離課税で3年間損失繰越できますから、
優遇されてますよね（ギャンブルだと考えると）。
仮想通貨は、現在総合課税ですが、そのうちFXと同じようになるのかなあと。
スポーツベットも、FX並みのシステムでできるものがありますので、
今後はどうなるかわかりませんね。
≪あたらしいこと≫
コメダのシロノワール通常サイズ（息子とシェアしました。今までミニしか頼んだことなかった。通常サイズの方がデニッシュがより楽しめます）
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