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2020/9/2

なんとなく会社を続けている間に
ふくれあがった役員借入金

この役員借入金を減らすにはどうしたらいいのか?

方法はいろいろある。

  • 利益を出して返済するお金を作る
  • 役員報酬を減らす
  • 過去の不明処理を正す
  • 債権放棄をする
  • 資本金に振り替える(DES)
  • 役員借入金を贈与する

ちなみに、どれも簡単ではない。

※会社更生等による債務免除等があった場合については記載しておりません。

   

(1)利益を出して返済するお金を作る

   

正攻法です。

これは、役員借入金に限らず、金融機関の借入金でも同じ。

利益が出ないと、返すお金は生まれません。

なので、どうやったら利益が出るか、
徹底的に見直す必要があります。

「減価償却費は、お金が出ていかない経費だから、返済資源になる」
という考え方がありますけれども、
減価償却費以上に損失が出ていれば元も子もありません。

   

  

(2)役員報酬を減らす

   

役員報酬が高くて未払いになっているようだったら、
役員報酬の金額を下げます。

ただし、事業年度の途中での減額は基本的に認められないので
注意しましょう。

   

(3)過去の不明処理を正す

    

前回のブログで、過去の不明入金が役員借入金増額の原因になっている、ということを書きました。

もし、あなたの会社の役員借入金もそのようにして増えているのであれば、
過去の不明入金の取引内容をつきとめて、
処理を正す
のです。

そして税務署へ修正申告書を提出します。

※修正申告ができるのは5年前の申告までです。

  

   

(4)債権放棄をする

   

債権放棄とは、
借入の返済を免除すること。

社長個人が、会社に対する債権を放棄します。
「貸したお金はもう返さなくていい」と。

会社側の役員借入金の返済義務を無くすわけです。

会社側は
返すべきものが返さなくていいことになったという『債務免除益』という収益を計上します。

繰越欠損金の範囲で行えば、追加税金は発生しません。

ただし、会社の株主が社長以外にもいる場合は、
贈与税が発生することがあります。
(負債が減って株価が上がるため)

   

   

(5)資本金に振り替える(DES)

   

社長に役員借入金を資本金として現物出資してもらう。
いわゆるDES(デッド・エクイティ・スワップ)です。

役員借入金2000万を現物出資して資本金に振り替えると、
負債が2000万減って、
資本金が2000万増加します。

しかしここで、
税務上は役員借入金を時価評価します。

債務超過状態の場合、
役員借入金は価値のない(返済の当てのない)債権です。

もし額面2000万の役員借入金の時価評価額が0(ゼロ)であれば、
2000万の『債務消滅益』という収益を会社は計上しなくてはなりません。

加えて、資本金が増えれば均等割り等の税額も増えます。

そして、債務免除と同じように、
会社の株主が社長以外にもいる場合は、
贈与税が発生することがあります。
(負債が減って株価が上がるため)

   

   

(6)役員借入金を贈与する

  

社長個人の相続税対策のために役員借入金を減らしたいのであれば、
役員借入金を社長以外の人に贈与します

後継者が決まっていれば、その後継者に。

個人から個人へ債権を贈与するため、

年間110万を超えると贈与税が発生します。

   

    

***

≪あとがき≫

いずれにしても
魔法のようにパッとなくなる方法は無いです。

時間をかけて計画的に減らしていきましょう。
特に(3)以降は慎重に行わなくてはなりません。

上には書きませんでしたが、
いっそのこと「解散する」という方法があります。
債務免除と基本的に同じですが、
期限切れの繰越欠損金を使うことができる場合があります。
使ってもなお課税所得が出れば税金を払うことになりますが。
こちらもやっぱり慎重に。

≪あたらしいこと≫
・電動自転車のバッテリー交換申込
・ミラノサンドをケーキ皿でいただく(美しい景色を見た。きっと伝わらない感動がそこに。)

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