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2020/6/13
商品というのは、
顧客に売るためのものだ。
しかし、
従業員への福利厚生として割引価格で販売したり、
あるいは、
個人事業主であればプライベートで使用することもある。
そういった販売以外の用途で
商品を使った場合は、
どんなふうに帳簿へ付ければよいのだろう?
※今回は、商品を社内向けに使った(割引販売した)場合に限定します。
●割引価格で社内販売したとき
原則は、自社商品を従業員へあげると、無料で売ったことになります。
従業員側から見ると、
給与をモノでもらった(=現物給与)ということになり、従業員は追加で所得税がかかります。
≪仕訳例≫
【借方】給与 / 【貸方】 売上高 ○○円
しかし、
割引価格で社内販売したときは
要件を満たせば、追加で所得税がかかることはありません。
(有価証券、不動産、食事を除く)
その要件とは、
(1)割引後の価格が、次のいずれか高いほうの金額以上であること
・その商品の原価
・その商品の通常販売価格×70%
(2)値引率が、役員若しくは使用人の全部につき一律に、又はこれらの者の地位、勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。
(特定の人だけ優遇しない、ということ)
(3)値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。
(従業員が自分で使う分だけ、ということ)
≪仕訳例≫
【借方】現金 / 【貸方】 売上高 ○○円
●食事の提供の場合
飲食店などで、まかない等として自社商品を従業員へ支給するときは、
次の二つ要件を両方満たせば、追加で所得税がかかることはありません。
(1) 役員や従業員が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2) (食事の価額) – (役員や使用人が負担している金額) が
1か月当たり3,500円(消費税及び地方消費税の額を除く)以下であること。
≪仕訳例≫
商品をまかないとして支給
【借方】福利厚生費/ 【貸方】 商品 ○○円
従業員給与から自己負担分を天引き
【借方】給与 ○○円 / 【貸方】 現金 ○○円
預り金 ○○円
福利厚生費 ○○円
※残業又は宿直若しくは日直をした従業員に対し、これらの勤務をすることにより支給する食事については、上記の要件を満たしていなくても、課税しなくて差し支えないものとされています。(所得税基本通達36-24)
●有価証券や不動産の場合
社内への値引販売については、利益の額が少額であること、値引販売は一般の顧客に対しても行われる場合があること等を考慮して設けられているものです。
商品が有価証券や不動産である場合、
上記の社内販売のような取り扱いはありません。
参考:国税庁 質疑応答事例集 住宅の値引き販売による経済的利益
有価証券については、そもそもインサイダー取引防止等の理由により社内規定で禁止されていることがあります。
また、不動産を社内販売で30%値引きして、、、となると数百万以上の利益が出てしまいますからね。福利厚生にしては大きすぎるということに。
●個人事業主がプライベートで使ったとき
個人事業主が、販売用の商品をプライベート(私用)で使ったときは、
「家事消費」や「自家消費」と呼ばれます。
売り物の商品を自分で食べたとか使った場合です。
これも社内販売と同じように売上に計上します。
次のいずれか高い金額を収入に計上します。
・その商品の原価
・その商品の通常販売価格×70%
個人事業主の場合、
家事消費(自家消費)の売上については
青色申告決算書で通常の売上と分けて記載しますので、
次のような仕訳をします。
【借方】事業主貸 / 【貸方】 家事消費 ○○円
***
自社商品を社内向けに使う場合、というと
従業員に対する福利厚生費の意味合いがほとんどだと思いますが、
これに関しては色々取り扱いがあるので
「どこまでなら給与にならないか」という点に注意が必要です。
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昨日は仙台も暑かったので、
今年買った窓用エアコンを運転させました。
が、「冷房」だと時々すごく音がうるさくなるので、
お客様が来た時に「送風」の静かな設定に変更。
するとだんだんと蒸し暑くなり・・・
(お客様には申し訳ないことを・・・)
静かさを取るか、涼しさを取るか。うーん。
あ、うちの事務所に来て暑かったら言ってくださいね。
(と、ここで言っても・・・)
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