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2020/6/2

昨日のブログ
「棚卸資産に係る消費税額の調整」について書いたが、

この規定に絡んだ改正があった。

   

「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」の改正である。

   

高額特定資産というのは、
簡単に言うと
1点1000万以上の固定資産や棚卸資産のこと。

   

「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」というのは、

消費税の課税事業者が、
高額特定資産の仕入等をした場合は、
その仕入等の日の属する課税期間の
初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各期間については、
納税義務の免除は適用しない、
というものだ。

要は、
高いものを購入等して、多額の消費税の還付を受けるのであれば
最低3年間は課税事業者を継続せよ、
ということのなのだ。

これは平成28年(2016年)4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等から適用されていた。

    

しかしこれには”抜け”があった。

それが、棚卸資産が高額特定資産であった場合の
「棚卸資産に係る消費税額の調整」である。

   

高額特定資産を免税事業者の期間に仕入等し、
課税事業者になったときに在庫として繰り越すと、
「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」には該当しない。

なぜなら、課税事業者のときに仕入等をしたわけではないからだ。

よって、

   
・免税事業者の期間に仕入等した高額特定資産を棚卸資産として繰越

 ↓
・課税事業者になってから「棚卸資産に係る消費税額の調整」により還付を受ける

 ↓
・その次の課税期間からまた免税事業者に戻る

    

ということが、理論上は可能だった。

そこで令和2年度の税制改正で
”抜け”を封じることにした。

高額特定資産について
「棚卸資産に係る消費税額の調整」を受けた場合にも、
最低3年間は課税事業者を継続せよ、となったのである。

これは令和2年(2020年)4月1日以後に棚卸資産の調整をした場合から
適用開始となっている。

     

***

この税法の”抜け”を利用した事業者はどのくらいいたのか・・・

利用できる事業者は限定されているような気がしますが。

数は少なくても、金額は大きかったのかしら?

   

ちなみに、この改正により名前が少し変わりました。

「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」
 ↓
「高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例」

”等”の部分に棚卸資産の調整を受けた場合が入ってるんですねー。(こまかい)

  

***

   

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