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2020/5/28

これまで、不動産の消費税の還付スキームというのは
横行しては封じられていた。

今回の税制改正での封じ込みはこれまでとひと味違う。
入口から制限したのだ。

2020年10月1日以後に取得等した
居住用賃貸建物の消費税については、
仕入税額控除の対象とならなくなった。

仕入税額控除の対象とならないと、一切還付は受けられない。

ただし、3年以内に事業用に変更した場合や、売却した場合は
仕入税額控除の調整を行うこととなっている。

   

    

●一部が店舗や事務所だったら

   

居住用マンションの1階がクリーニング屋や美容院等の事業用テナントだったり、

事業用マンションの最上階がオーナーの住宅だったりすることはよくあります。

    

このように居住用と事業用のテナントが混在している物件などの建物消費税については、
「居住用賃貸部分」のみが仕入税額控除の対象となりません。

それ以外は仕入税額控除の対象となります。

    

ただし、面積等の合理的な割合で区分しておくことが必要です。

    

その構造及び設備の状況その他の状況により
当該部分とそれ以外の部分とに合理的に区分しているときは、
当該居住用賃貸部分に係る課税仕入れ等の税額についてのみ、
法第30条第10項の規定を適用する

 参考:消費税法施行令第50条の2

    

●3年以内に事業用賃貸としたら

    

取得した時は居住用だったけど、
途中から一部or全部を事業用にした、といったときは
その「居住用賃貸建物」からも消費税の課税売上が発生します。
※事業用賃貸収入は消費税の課税対象です。

なので、その課税売上の金額に対応する分の建物消費税は
仕入税額控除の対象となるようにしましょう、
という調整が設けられています。

調整は、取得年を含む3年間の金額から計算し、
控除を受けられるのは3年目です。

   

●3年以内に売却したら

    

取得した時は居住用だったけど、
その建物を売却した、といったときは
その「居住用賃貸建物」からも消費税の課税売上が発生します。
※建物の売却は消費税の課税対象です。

なので、その課税売上の金額に対応する分の建物消費税は
仕入税額控除の対象となるようにしましょう、
という調整が設けられています。

この調整が受けられるのは、取得年を含む3年間のあいだに売却した場合のみです。

調整は、取得年から売却年のトータルの金額から計算し、
控除を受けられるのは売却年です。
(取得した翌年に売れば、翌年に控除を受けることなります)

    

    

***


「また面倒なことになったな」という気持ちでいっぱいです。

(ちょっとだけ泣かせてほしい)

繰延消費税額等もどうするのか、はっきりしてないですし・・・

(そのうち出るかもしれないけど、ただでさえ面倒なのに輪をかけて面倒になりそうで怖い)

多くの税理士事務所が消費税別料金にしてるのも納得ですね。
(値上げするんじゃないか?とか思ったり)

この改正の対象となる3年間の途中で担当の税理士が変わったら、
新しい税理士は死にますね。(言い過ぎ)

短期転売をしている事業者にとって3年以内売却の調整は、
法律の適正化となったようですが。

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