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2020/5/16

企業の資金繰りが苦しくなる大きな原因のひとつに
投資の失敗があります。

投資したお金の回収ができない、ということですね。

多額の現預金を使うため、回収できないと手元資金が一気に減ります。
設備資金の融資を受けた場合も、その返済が厳しくなります。

そこで、
今回は投資の中でも設備投資について
リスクマネジメントの処理技術である
「リスク・コントロール」と
「リスク・ファイナンシング」の視点から考えてみます。

私が考えてみるだけなので、
「これが正解」とかいうものではありません。

考え方の一例として捉えていただければと幸いに存じます。
(リスクヘッジか)

   

   

●リスク・コントロールを考える

    

リスク・コントロールとは、リスク自体を調整するものです。
回避・損失制御・結合・分離・移転に分けられます。

(1)回避
損失の発生確率をゼロにし、リスクの原因そのものをなくす手法のことです。

その設備を購入するのではなくレンタルにする、などが考えられます。

(2)損失制御
損失の発生頻度や深刻度を軽減する手法です。

設備購入前にテスト販売を行う。
購入後は設備のメンテナンスを定期的に行う。
機械設備なら、その機械の使用方法をよく学び、回転効率を上げるようにするなどでしょうか。

(3)結合
リスク管理の対象の数を増やすことでリスクの予知能力を高める方法です。
運送会社が保有車両を増やす例がよくあげられます。

設備投資で考えると、複数の設備を持ち、故障等にそなえることが考えられますでしょうか。

(4)分離
リスク管理の対象を細分化し、損失の影響を軽減する手法。
災害に備えて工場を各地に分散させる例がよくあげられます。

災害対策では、場所を一か所に集中させないことですね。

すこし違うかもしれませんが
設備から生み出せるものを複数にして売上の柱を分ける、というのはどうでしょう?

(5)移転
第三者に責任を転嫁する手法です。

たとえば設備が機械なら、その機械で制作するのは他の会社に委託して、
販売だけ自社で行うことなどが考えられます。

   

   

●リスク・ファイナンシングを考える

    

リスク・ファイナンシングとは
リスクそのものは変えずに
リスクによってもたらされる経済的な損失を軽減することです。

  

(1)保有
財務的影響を自分で負担する手法です。

設備資金の融資を受けるなら、設備を自己資金で買えるだけの積み立てを別にしておく。
社長個人でお金をためておく、などが考えられます。

手持ち資金を厚くするために運転資金の融資を受けるのも対策のひとつでしょうか。

  

(2)移転(転嫁)
財務的影響を他社に負担させる手法です。

収入保障保険に入る。
その設備の購入先に売上保証をしてもらう、などが考えられます。

   

   

●リスクについて考えてみよう

    

リスクマネジメントは、
リスクの発見・特定→リスク算定→リスク評価といった順番ではじまります。

どんなリスクがあるのか、
どのくらいのリスクがあるのか、
という把握からですね。

背負いきれないリスクであれば、
「回避」や「移転」などの手法を使ったほうがいいのではと思います。

業種によっては、最初に大きな設備が必要なものがありますけれども、
「みんな(他の経営者)がやっているから」という思い込みによって
大きなリスクを背負う結果になることも少なくありません。

潤沢な資金がないのであれば
リスクを無くす、減らすなどの方法をあれこれ考えてみてはいかがでしょうか。

    

   

***

こんな大きな投資をしなくても、他に方法があったのでは?
と思うことが度々あります。

小さくスタートしたほうが思い通りに挑戦できたのでは?とか。


投資の判断は難しいですね。

事業を始めるといろいろ考えることがありますが、
リスクについても厳しく楽しく考えられるといいなあと思っています。

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