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2020/1/30
自分の会社の決算書をながめていたら、
「一年以内返済長期借入金」という科目があった。
貸借対照表の流動負債の区分にある。
流動負債の区分に表示されるのは、
1年以内に支払期限が到来するものだと聞いた。
確かに、
「一年以内返済長期借入金」として表示されている金額は、
長期借入金のうち、一年以内に返済期限が到来する分である。
でも、なぜ、わざわざ分けるのだろう?
●一年以内返済長期借入金とは
上記に書いたように、
「一年以内返済長期借入金」とは、
長期借入金のうち、
一年以内に返済期限が到来する分のことです。
長期借入金は、返済期間が1年超の借入を指します。
短期借入金は、返済期間が1年以内の借入を指します。
借入は、
決算書の貸借対照表の負債の部にされ、
負債の部の中でも、
ワンイヤールールに基づき、
支払期限が1年を超えるものを固定負債の区分に、
支払期限が1年以内に到来するものは流動負債の区分に、
それぞれ表示されます。
●なぜ長期借入金を分けるのか
長期借入金は、返済期間が1年超の借入を指しますので
基本的には固定負債の区分に表記されます。
でも、
長期借入金は毎月返済していくわけですから、
支払期限が1年以内に到来する分が含まれているわけです。
そうなると、
その支払期限が1年以内に到来する分については
流動負債の区分に表記したほうが
実態に即しているということになります。
●銀行のため?自社のため?
銀行が見る指標の一つとして、『流動比率』があります。
流動比率=流動資産 ÷ 流動負債
流動比率は200%以上あると良いといわれます。
じゃあ、銀行さんから良いふうに見てもらうために
わざわざ「一年以内返済長期借入金」を流動負債にのっけないほうが
いいんじゃないの?
と思うかもしれませんが、
銀行は自分たちの基準で「一年以内返済長期借入金」を分けた決算書に修正しますので
関係ありません。
それよりも、
今後1年間で返済する金額を表記し、
その返済資源があるかどうかを確認する。
「一年以内返済長期借入金」を分けたほうが、
自社の予実管理により役立つ決算書と言えないでしょうか?
対・銀行という視点でみても、
「一年以内返済長期借入金」を分けて表記した決算書か、
そうではない決算書か、
どちらに良い印象を抱くかというのは
言わずもがなですね。
●返済予定表をエクセルにしておくと便利
銀行から返済予定表をエクセルで頂戴できればありがたいのですが・・・
ハガキのところが多いです。
あとA3用紙とか。
私事でございますが、むかーし、
決算書で一年以内返済長期借入金を表記するために
わざわざ翌期の返済予定表を見ながら電卓で集計するのが
とても面倒に感じていました。
しかしながら、ここは割り切って、
エクセルで月々の元本・利息・合計支払額・残高の表を作成しておきましょう。
これで一年以内返済長期借入金の集計も簡単にできます。
クラウド会計に振替伝票であらかじめ取り込むときにも便利。
資金繰り表を作成するときにも使えます。
(OCR読み込みでもいけるかもしれませんね)
***
かくいうわたしも、
勤務時代に「一年以内返済長期借入金」のない決算書を
たくさん作ってきました。(おいおいおいおいおい)
幸い、そのせいで融資審査落ちた、なんて話は聞いたことないですけれども。
些細なことかもしれませんが、
集計して表示を分けるだけです。
それで少しでも信用が上がるならば、
このひと手間は加えていきたい。
というふうに現在は改心しております。
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