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2020/2/10
”仕掛品”とは、
製造途中である製品のことをいう。
つまり、作りかけのものだ。
製造業の会計ではよく出てくる”仕掛品”。
クリエイターとして、
作品を製作しているあなたにも
”仕掛品”があるかもしれない。
●クリエイター業にもサービス業にも、在庫は発生する
”仕掛品”というのは在庫の勘定科目のひとつです。
クリエイター業やサービス業には
在庫はないと考えられがちですが、
そうでもありません。
目には見えない在庫がある場合があります。
それが”仕掛品”です。
●経費が先、売上が後 となるときは注意
まず、経費については大きく2種類に分けられます。
・売上をあげるために直接かかった費用。仕入や材料費など。
・売上との明確な対応関係がない費用。事務所家賃や水光熱費など。
”仕掛品”が隠れているのは、
前者の「売上をあげるために直接かかった費用」です。
会計の世界では、
その事業年度の売上に対応する経費のみを計上しなくてはならない、
というルールがあります。
(費用収益対応の原則といいます)
ここで具体例を見てみましょう。
12月決算の映像制作会社が、
2019年11月に制作を受託しました。
納品予定は2020年1月です。※納品時に売上計上
その受託した映像に使う音楽を、
外部のミュージシャンに依頼して作ってもらい、
音源制作料を2019年12月に支払いました。
この支払いをしたとき、
帳簿にはいったん、次のように費用として計上します。
仕入高(or 外注費)/現金 ××円
しかしこのままでは、
2020年の売上の経費が、2019年の帳簿に載ってしまいます。
これでは
「その事業年度の売上に対応する経費のみを計上しなくてはならない」
というルールから外れてしまいますよね?
そこで登場するのが”仕掛品”です。
●翌事業年度の売上に対応する費用は仕掛品に計上
2019年の年度末に、
次のような仕訳を登録すればOKです。
仕掛品/仕入高(or外注費)××円
※仕掛品/期末仕掛品棚卸高 とする場合もあります。
※この仕訳は消費税不課税取引です。
この仕訳をすることで、
2020年の売上に対応する経費を先に支払ったときも
2019年の経費からは外して、
2020年へ繰り越すことができます。
●翌事業年度になったら戻す
先ほどの例の続きで、
翌事業年度、つまり2020年になったら
仕掛品で繰り越した分を
経費に戻します。
次のような仕訳を登録します。
仕入高(or外注費)/仕掛品 ××円
※期首仕掛品棚卸高/仕掛品 とする場合もあります。
※この仕訳は消費税不課税取引です。
これで
2019年に”仕掛品”とした分が
2020年に経費に復活しました。
●科目名はさておき
売上をあげるために直接かかった費用というのは、
基本的に売上原価の勘定科目で計上しますけれども、
スモールビジネスの場合は、
販売管理費の中の「外注費」「支払手数料」などに計上している場合も多いです。
翌事業年度の売上の費用である
”仕掛品”が埋もれてないか、
チェックしてみてください。
***
仕掛品を計上するのがめんどくさいならば、
そのような支払は売上計上より後(あと)に持ってくる、という手もあります。
そうはいっても
取引関係上そんなことできない場合もあるでしょうね。
会計上の都合だけを押し付けても、、、、ね?
アイキャッチ画像は、段ボールの秘密基地です。
息子に頼まれて作りましたが、
作りかけというか、力尽きた・・・
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