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2020/1/29

常勤役員と非常勤役員の違いとは何だろうか。

実は会社法でも税法でも明確な規定が存在しない。

「非常勤」とは何なのか?

と問われ、

「常勤以外を指す」

と出口のない回答をしていては始まらない。

    

ウイキペディアによれば、”非常勤”とは

非常勤(ひじょうきん)、パートタイム(英:part-time)とは、
勤務形態に関する用語で、労働契約における労働時間が、フルタイム勤務者よりも短い被用者を指す。

とのことである。

しかしながら役員であるのだから、
労働時間で測るのではなく、
経営に関する参加度合で測り、
フル(常勤)かパート(非常勤)かを区別するのが妥当なのではないかと
個人的には考える。

   

●税金における非常勤役員の注意点

   

税金の過去の判例で問題とされてきたのは、
「非常勤役員の給与が高すぎる」というのもの。

ほとんど経営に参加していない、
あるいは全く参加していないのに、
給与がやたら高いケースである。

スモールビジネスの場合、
非常勤役員となっているのは代表者の身内がほとんど。

代表者が既に多額の給与をもらっていると
自分の所得税率が高いので、
税率が低い非常勤役員の奥様に支払ったり・・・

あるいは、
法人税の支払いを減らしたくて
非常勤役員の子供の給与を増やしたり・・・

なんて、所得分散だけを目的に
非常勤役員の給与を決定してしまっている会社があるんですね。

   

当然ながら、
経営に参加している非常勤役員へ給与を支払うことはOKです。
実態にそぐわない給与がNGとされるだけで。

よって、非常勤役員がどのように、どの程度、
会社の経営に参加しているのか、というのを把握したうえで
給与の金額を決定する必要があります。

   

●社会保険における非常勤役員の注意点

   

非常勤役員は社会保険に加入する必要があるかどうかを判定するのが少し難しい。

日本年金機構の疑義照会では以下のようになっている。

—–

労務の対償として報酬を受けている法人の代表者又は役員かどうかについて は、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準として判断されたい。

①当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。
②当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。
③当該法人の役員会等に出席しているかどうか。
④当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。
⑤当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。
⑥当該法人等より支払を受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実務弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

なお、上記①~⑥はあくまで例として示すものであり、それぞれの事案ごとに実態を踏まえて判断されたい。

  —– 

①が一番わかりやすいかなあと。
非常勤役員の場合は、定期的ではなく、必要な時にだけ出勤することが多いのではないでしょうか?
そうなると社会保険に加入する必要のある非常勤役員は少ないように思います。

   

***

   

けっこうまえに「非常勤てなんですか?」と聞かれたことを思い出しました。

”非常勤役員”という制度は
上手に使ってほしい。
もちろん実態ありきでお願いします。

アイキャッチの四季島プラレールは、
非常勤の特急、というイメージで・・・

四季島プラレール

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