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※この記事は個人事業主向けです。

2020/1/21

個人事業主が店舗や事務所等に損害保険をかける場合、
多くの場合は掛け捨てだと思います。

「うちは掛け捨てです」というそこのあなた、
以下は読まなくてもいいです。

今回は、掛け捨てじゃない場合、のお話です。

●満期返戻金・満期共済金・解約返戻金

積立部分がある保険契約では、
契約期間の満期が来ると、満期返戻金・満期共済金を受取ることができます。

また、満期が来る前に解約した場合も、
規約により解約返戻金を受取ることができます。

なんでお金が返ってくるかというと、
今まで支払った保険料の中で、
一部積み立てていた(貯蓄していた)部分があったからですね。

まずはここを押さえて進みましょう。

●支払時の処理

積立型の損害保険料を支払った場合、
支払保険料のうち、積立分が○○円ということが
契約書などに記載してあります。

≪例≫
年間の保険料が5万円。
そのうち積立分が2万円(掛捨分が3万)の保険があったとします。

その場合の仕訳は、

保険積立金(資産科目)/預金 20,000
保険料(費用科目)/預金 30,000

となります。

積立分は、支払っても事業の経費にはならないというわけです。

●満期受取時の処理

   

では、事業用の店舗や事務所等に
積立型の損害保険をかけていて、満期or解約まで
保険事故が起きず、保険金を受け取ったときの処理を考えてみます。

先ほどの≪例≫の契約が10年契約で満期となり、
満期返戻金として24万受け取った場合。

保険積立金は20,000円×10年=200,000円となっています。

ということは、
4万円(=24万-20万)儲かったということになりますね?

しかしこの分は事業の収入ではなく、一時所得として確定申告します。

ちなみに受取時の仕訳は以下の通り。

預金 240,000/保険積立金 200,000
      /事業主借 40,000

事業の収入ではないので、
事業の帳簿には「事業主借」として記録します。

   

●なぜ一時所得なのか?

   

この取り扱いを知ったとき意味がよくわかりませんでした。

わざわざ一時所得にしなくてもいいのでは?と。

しかしながら、
積み立てていた(貯蓄していた)と考えると
この部分は資産の運用益みたいなものですね。

なので事業所得とは切り離してるのかな、と。
想像ですけれども。

また、上記の例では、
一時所得に該当する金額は4万円となりますので、
一時所得の特別控除50万と相殺して
追加の税金は発生しません。

   

***

最後の部分は推測になって申し訳ありませんが、
去年この取り扱いを知ったときに
ずっと腑に落ちなかったので
自分なりの落としどころを考えてみました。

   

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