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2020/1/6
2019年末に2020年の税制改正大綱が出まして、
ようやく目を通しました。
その中で少し気になった仮想通貨(暗号資産)の話。
大綱にはこう書かれていました。
先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び
先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用対象から、
暗号資産デリバティブ取引に係る雑所得等を除外する。
「え、前から除外してたんじゃないの?」
さて、どういうことなのか。
●そもそもの申告方法
“暗号資産デリバティブ取引“というと、
代表的なものは仮想通貨FXになると思います。
で、税金の取り扱いとして、仮想通貨FXは
仮想通貨なのか?FXなのか?
どっちの取り扱いをすればいいの?
という疑問がまずわきますね。
それぞれの申告方法・取り扱い(個人の場合)は、
(1)仮想通貨:総合課税の雑所得。所得税率は5%-45%の累進課税。住民税は一律10%。
損失は繰り越せない。
(2)FX:分離課税の雑所得。所得税率は一律15.315%。住民税は一律5%。
損失は三年間繰越できる。
利益が大きいほど、FXの分離課税の方が税率が一律なので有利です。
でも、現在の税法上は、
仮想通貨FXは、(1)の総合課税の雑所得で申告します。
●今までは「財産的価値」だった仮想通貨
2017年の改正資金決済法では、
仮想通貨は「財産的価値」とされていました。
この時点では金融商品ではなかった。
ところが、
2019年の改正資金決済法では
仮想通貨の名前が暗号資産に変わり、
同時に改正された金融商品取引法において、
金融商品の定義に暗号資産が追加され、
暗号資産を用いたデリバティブ取引が金融商品取引法の規制対象となったのです。
つまり、仮想通貨が金融商品として正式に仲間入りを果たしてしまったと。
これが税制改正大綱において
わざわざ暗号資産デリバティブ取引について
ことわりをいれるきっかけとなったと考えられます。
●税法上は仲間入りしてない
税法は、FXをはじめとした
「先物取引に係る雑所得等」の対象となる取引については
”金融商品取引法に規定する市場デリバティブ取引のうち一定のもの”
としていて、
これまで仮想通貨はそこに入ってなかったんですね。
でも、金融商品取引法の改正により
仮想通貨(暗号資産)が
”金融商品取引法に規定する市場デリバティブ取引のうち一定のもの”
に入ってしまった。
そこで税法側では、
「俺はまだ認めねーぞ」と言わんばかりに、
わざわざ税制改正大綱で
”適用対象から、
暗号資産デリバティブ取引に係る雑所得等を除外する”
と仮想通貨FXの税金はまだまだ総合課税だと書いたわけですね。
***
まあ遅かれ早かれ仮想通貨関連も分離課税になるのかなと。
でも、まだなってませんからね。
気を付けてください。
他の法律に合わせて変えたり変えなかったりして。
なんだかなー。
お金が絡むところは時間がかかるのねー。
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