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2019/11/22

前回のブログで、小さな会社の社長さんは
退職金の受取順序に注意したほうがいい。

そして、iDeCoを一番最初に受取ったほうがいい、と書きました。

具体例は、このような感じでしたね。

60歳:iDecoの退職金受取(一括)
65歳:小規模共済の退職金受取(任意解約・一括)
70歳:自社の退職金受取

気づく人もいると思いますが、
小規模共済や自社の退職金を4年超(5年以上)期間をあけて受取りたいなら、
iDeCoを早く受け取らないと、あとが詰まってしまいます

iDeCoは原則60歳から70歳の間で受取可能ですので、
60歳で受取るのがベストタイミングです

そこで、iDeCoの利点をより活かして受取る方法を考えていきます。

≪注≫2019年11月現在の法令に基づき記載しています。

   

●iDeCoはドルコスト平均法が使える

  

ドルコスト平均法とは、
毎月一定の日に、
一定の金額を投資することにより「時間を分散」する手法のことです。
価額の低い時の買い付け数量を多くし、
価額の高い時の買い付け数量を少なくすることにより、
結果として平均取得価額が平準化される方法なので、長期投資に向いていると言えます。

auのiDeCoホームページより https://ideco.kddi-am.com/learn/words/234/

 

iDeCoは、毎月の拠出額が一定である場合、
自然とドルコスト平均法による運用を行うことにつながります。

iDeCoで運用する商品には
安全性を重視した「元本確保型」と
収益性を重視した「元本変動型」の分類がありますが、

ドルコスト平均法は価格の変動があるほど有利ですので、
「元本変動型」の方が、資産を大きく育てられる可能性があります。

非常に似た制度として、

積立NISAがありますけれども、
iDeCoの方が、安全商品から少しリスキーな商品まで、
選べる商品の種類が豊富
なため、
自分のリスク許容度に合わせて商品を組み合わせる事ができるというのが大きな違いです。
ぜひこの特徴を活かしましょう。

  

●50歳を過ぎたら元本確保型へスイッチング&配分変更

   

”スイッチング”とは、
積み立ててきた資産を売却し、
その売却代金で別の新しい商品を購入する方法のこと。

”配分変更”とは、
毎月の掛金で購入する、運用商品の種類や配分割合を変更することです。

  

ドルコスト平均法で注意したいのは、
売却時に値下がりしていたら損失が出てしまう
ということ。

60歳の受取時点で値下がりしていたら、損をしてしまうというわけ。
(しかもこの受取時の損失は、他の所得との通算や繰越はできません)

なので戦略としてはまず、
60歳になる前の値上がりしているタイミングで売却し、
利益確定をします。

(ちなみに、この利益もiDeCoなら非課税というわけ)

そして次に、
この売却金額で元本確保型の商品を購入し(スイッチング)、
その後60歳の受取時まで拠出する掛け金では
定期預金等の元本確保型の商品を購入
するのです(配分変更)。

こうすることで、
ドルコスト平均法による運用で得た利益を確保することができます。

   

●運用管理が面倒な場合は最初から安定商品に投資する

  

「それまではほったらかしでも良かったのに、
50を過ぎたら値動きを気にしなくてはいけないなんて
面倒くさいな・・・」
と思う人もいるかもしれません。

もしそうであれば、
最初から
安全性を重視した「元本確保型」の商品で運用するのもOK
です。
具体的には定期預金や保険の商品になります。

もちろん値上がり益は、ほぼゼロ。
ということになりますが、
それでもiDeCoなら、
所得控除が受けられるというメリット
がついてきます。

   

●元本確保型の商品でも毎年の所得控除は大きい

   

iDeCoの利点として、
掛け金として拠出した金額が、社会保険料控除になる、というものがあります。

ようは、退職金の積み立てをしていると、税金が減るのです!
(この利点は積立NISAにはない)

この利点は、
元本確保型の商品でも、元本変動型の商品でも共通です。

たとえば、
・毎月iDeCoで2万円(年間24万円)積立している
・年収600万
の場合では所得税率10%、住民税率10%くらいなので、
毎年約48,000円税金が減ります。

これが40歳から60歳までの20年間続けば、
合計約960,000円税金が減ります。

iDeCoには、加入時に約3000円、その後口座管理手数料として毎年2000円ほどかかりますが、
それを大きく上回る税金の減額があるというわけです。

***

というわけで、
iDeCoは、元本変動型・元本確保型をうまく利用して
退職金の積立てをしつつ、
毎年の所得控除の恩恵を受けられるというかなりお得な制度なのです。

自分で退職金を用意する小さな会社の社長さんだからこそ、
こういった制度をうまく活用してほしいと思います。

受取のタイミングや、
利益確定のタイミングを逃さないよう
くれぐれもご注意いただきたい。

今後、退職所得控除の制度が変更する可能性もあります。
個人的には
iDeCoは国が押してる制度なので、
その制度を切り崩すのは難しいのでは?とみておりますけども。

さてどうなるか。

   

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