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2019/9/27
予告通り、今回は「元入金に慣れれば世界はさらに広がる」をお届けします。
前回の『事業主貸』『事業主借』、
そして今回の『元入金』の個人事業主特有の勘定科目を抑えれば、
会計ソフトになんとなく入力している数字も
見え方が変わってきます。
●元入金とは
≪開業1年目の場合≫
元入金=開業時にビジネスへ出資したお金や物の金額
≪開業2年目以降≫
元入金=
前年の元入金の金額
+前年末の青色申告特別控除前の所得(利益)金額
-前年末の事業主貸の金額
+前年末の事業主借の金額
と、こんな感じの内容になっております。
まだちんぷんかんぷんですね。
●具体例を見てみよう
〈例〉
≪開業1年目≫
①開業時にプライベート用の銀行口座から、ビジネス用の銀行口座へ100万預け入れた。
②1年目の売上50万が、ビジネス用口座に入金された。
(※費用は無いものと仮定し、売上=利益とします)
③ビジネス用口座から生活費を30万引き出した。
この場合、下のような貸借対照表が出来上がります。
①の開業時に預け入れた100万が開業1年目の元入金となります。
では2年目にどうなるかというと、、、
≪開業2年目≫
開業2年目の1月1日の貸借対照表は下のようになります。(※何も取引してない状態)
ええええええええ!?と思った人は
読み進めてください。
●年をまたぐと消える『事業主貸』『事業主借』『所得(利益)金額』
まず、『事業主貸』『事業主借』について。
これら2つの勘定科目は、
ビジネスをしているあなたとプライベートのあなたの貸し借りでした。
どちらも”あなた”です。
同一人物内でお金貸そうが借りようが、返済義務もなければ利息もつきません。
(これは個人事業主特有の部分です)
次に『所得(利益)金額』。
個人事業主が稼いだ利益は、事業主である”あなた”のものです。
そして、『元入金』は
”あなた”がビジネスに出資した金額。
ということは、
借りたのも、貸したのも、利益受取るのも、出資したのも、
全部、事業主の”あなた”!
分ける必要なし!
年をまたいだら『元入金』勘定にまとめて整理する!!
・・・そんなわけで
会計ソフトでは、次の年への繰越処理をすると
(freeeだと「年度締め」)
強制的にこの3科目は元入金へ集約され、
消える運命となっています。
●ではもう一度、元入金とは
開業2年目以降の元入金は
元入金=
開業1年目の元入金
+前年末の青色申告特別控除前の所得(利益)金額
-前年末の事業主貸の金額
+前年末の事業主借の金額
でしたね。
先ほどの具体例で考えると、
開業2年目の元入金(120)=
開業1年目の元入金(100)
+前年末の青色申告特別控除前の所得(利益)金額(50)
-前年末の事業主貸の金額(30)
+前年末の事業主借の金額(0)
ということになります。
つまり、前年に出た利益(50)から
生活費(30)を差し引いた残り(20)が、
前年の元入金(100)にプラスされて次の年の元入金(120)になった。
なので、
元入金とは、
事業主のあなたがビジネスに対して出資した金額と、
生活費以上に稼いだ利益の金額の合計額と考えることができます。
●利益により増えていますか?
法人でいう『資本金』が、個人事業主の『元入金』にあたると言われます。
つまり、その事業の規模や体力を示すものだと。
『元入金』が多かろうが少なかろうが
税務署から突っ込まれることはありません。
ただ、個人事業主が融資を受ける場合、
銀行は『元入金』を見ます。
しかしながら単純に『元入金』が増えていけば良いとは思わず、
利益により増えているか、確認しましょう。
ビジネス用口座の残高が足らず、プライベート用口座から追加で預け入れした時も
元入金が増える原因となりますからね。
逆に、ビジネス用口座に貯まった預金で
投資したり定期預金したりするときは、元入金が減る原因となります。
元入金の増減理由を
しっかり把握して、しっかり稼いでください。
***
「元入金」て、言葉自体がわかりにくい、ピンとこない、
というところありますよね。
”元手金”みたいなことなのかなと想像しますけども。
あなたの理解に少しでも役立てれば幸いです。
♪こいぬーの、よこにーは、あなーたー♪
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