不動産所得 65万か10万か、事業か業務か

2018/11/30

個人の『不動産所得』の青色申告控除は、

規模によって最大65万だったり10万だったりします。

いったい何が違うのか、という点について。

●『不動産所得』とは

マンションや土地などの貸付けのことを言います。
基本的には、所有するのに登記が必要なものを貸付けた場合の収入を指します。

法令は下記の通り。

【不動産所得】
所得税法第二十六条
 不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、
船舶又は航空機(以下この項において「不動産等」という。)の
貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)
による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。

 

●規模は問わない

 

さきほどの法令には、規模について書かれていません。
つまり、1室だろうが100室だろうが賃貸収入は『不動産所得』です。

 

そもそも青色申告制度は、

「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、
納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、
確定申告書及び当該申告書に係る修正申告書を青色の申告書により
提出することができる(所得税法143条)」

と規定されており、業務を行う者が対象です。

業務とは、営利的継続行為のことです。

 

不動産賃貸、はそもそもそれ自体が営利的継続行為ですので、
『不動産所得』は1室の賃貸でも『不動産所得』なのです。

なので『不動産所得』なら青色申告できます。

 

●65万か10万か

というわけで、『不動産所得』ならば
規模の大小を問わず、青色申告できます。

がしかし、65万の控除を選択できるのは、
「事業として」行われている『不動産所得』のみに限定されています。

事業と業務のイメージ図はこんな感じ。

業務とは、営利的継続行為のことでした。

営利的継続行為である不動産賃貸が

事業として」行われているかどうかの判定は、

(1)営利性・有償性の有無
(2)継続性・反復性の有無
(3)自己の危険と計算における事業遂行性の有無
(4)精神的・肉体的労力の程度
(5)使用人の雇用・物的設備の有無
(6)職歴・社会的地位・生活状況

を総合的に勘案して社会通念上事業と認められるかで判断します。

(社会通念上事業については前回の事業所得の記事をご参照ください)

 

ちなみに、税務署側では「事業として」の判定に

「5棟10室」基準というのを目安にしています。
・貸家なら5棟以上、
・アパートなら10部屋以上、
・駐車場なら50台以上、
というものですが、これはあくまで目安です。

 

●とりえあず不動産なら10万控除できる

これは不動産所得の特権といってもいいのではないでしょうか。
規模が小さくても利益が出た時に10万控除できるなら
青色申告承認申請書を提出しておいて損はありません。

ただし、申請書は事前に提出しておかなければなりませんので
新たに始めた人は早めに提出してください。

一度出せば毎年提出したりする必要はありません。