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2013年10月4日
海外に本社がある外資系企業では、本社にロイヤリティを支払ったり、借入利息や配当を支払ったりします。
これらの日本国内から海外へ支払われる(所得が移転する)ものには、
所得税と復興特別所得税を控除しなくてはなりません。
いわゆる『非居住者等に対する源泉徴収』と呼ばれるものです。
課せられる税率は、その所得の種類に応じて異なりますが、
たいてい20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)です。
本社へ支払うロイヤリティが1,000,000円の場合、税金204,200円控除後の795,800円を送金します。
ちなみに平成24年までは復興税がなかったので所得税の20%のみでした。
ところで、ときどきニュースで、「日本と外国の某国が租税条約を締結した」、という文言を見かけますが、
『非居住者等に対する源泉徴収』に絡んでいます。
租税条約により、源泉徴収する所得税の税率を20%→10%、あるいは20%→0%にする内容のものを締結していたりするのです。
しかし、租税条約が結ばれただけではこの減免後の税率を使用することはできません。
『租税条約に関する届出書』を税務署に予め提出しておくことが条件です。
これは支払いを受け取る側(海外)にサインをもらい、
一定の書類を添付して提出しなくてはならないので準備に時間がかかります。
その苦労を経て、減免後の租税条約の税率を適用できるわけです。
ここで注意が必要なのが復興特別所得税です。
もともとの所得税率が、租税条約の税率より高い場合は、復興特別所得税を控除する必要はないとされています。
(もともとの所得税率が租税条約の税率より低い場合は見かけないので無視)
ゆえに、『租税条約に関する届出書』が提出されており、
税率が20%→10%と減免されるものについては、
10%だけ控除すればよいのです。
先ほどのロイヤリティの例だと、税金100,000円を控除して900,000円海外送金し、
翌月10日まで控除した税金100,000円を納付すればOK。
平成25年になってから租税条約の届出を提出した会社は迷わないと思いますが、
従前から提出していた会社は、復興特別所得税も控除するのかどうかと迷われたようです。
たしかに普通の国内外注報酬は25年から10%→10.21%に変わったので、同様だと思われるのも当然かと。
もちろん、租税条約が結ばれている国へ送金しても、
『租税条約に関する届出書』が提出されていなければ、
原則通り復興特別所得税の分も控除しなくてはなりませんよ。
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