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2023/7/22

通帳を見れば、合っているかは一目瞭然。

   

■「銀行残高を合わせる」とは

「銀行残高を合わせる」とは、
金融機関の口座残高の数字と、
会計ソフトの『普通預金』残高の数字を一致させることである。

(『定期預金』など他の預金種別も同じ)

   

期末時点(個人事業主なら12/31、法人なら事業年度終了日)の各勘定科目の残高は、決算書に表記する。
決算書には正しい数字を書かなくてはならない。


「正しい」とは、この場合「事実と一致している」こと。

   

よって、勘定科目『普通預金』の残高は、
実際の銀行口座に残っているお金(通帳残高)と同じ数字でなければならない
のだ。

   

 

(例)銀行残高が合っている状態
・7月31日の○○銀行△△支店の口座残高:1,200,000円
・7月31日の会計ソフトの勘定科目『普通預金』補助科目『○○銀行△△支店』の残高:1,200,000円
⇒同時点(7月31日)の残高が一致=OK

  

(例)銀行残高が合っていない状態
・7月31日の○○銀行△△支店の口座残高: 1,200,000円
・7月31日の会計ソフトの勘定科目『普通預金』補助科目『○○銀行△△支店』の残高:2,200,000円
⇒同時点(7月31日)の残高が異なっている=NG

   

  

■会計ソフトの『普通預金』残高の見方


勘定科目『普通預金』は、会計ソフトの総勘定元帳(or補助元帳)から確認できる。

——————————-

≪freeeの場合≫
メインメニュー[レポート]>[総勘定元帳]>該当の金融機関口座をクリック

≪マネーフォワードの場合≫
メインメニュー[会計帳簿]>[補助元帳]>補助科目欄から該当の金融機関口座を選択して[検索]

———————————

総勘定元帳でも補助元帳でも形式は基本同じ。
項目は以下の通り。
・取引日
・相手勘定科目
・摘要
・借方金額
・貸方金額
・残高

   

このうち、銀行残高をチェックするうえで注目するのは次の4項目。
・取引日
・借方金額・・・入金(プラス)
・貸方金額・・・出金(マイナス)
・残高・・・前行の残高金額+同じ行の借方金額-同じ行の貸方金額

下の画像では、7月31日の残高は1,200,000円。

(補足)期末時点(個人事業主なら12/31、法人なら事業年度終了日)の『普通預金』残高だけなら、貸借対照表でも確認できる。

  

■通帳の見方

通帳の形式はどの金融機関も基本同じ。
項目は以下の通り。
・年月日・・・取引日
・取引内容・・・摘要
・支払金額・・・出金(マイナス)
・預り金額・・・入金(プラス)
・差引残高・・・前行の差引残高+同じ行の預り金額-同じ行の支払金額

   

金融機関の通帳の出金・入金(支払金額・預り金額)の列は、総勘定元帳の出金・入金(借方金額・貸方金額)と左右逆になっているケースが多い。
また、ネット系銀行の通帳(取引明細)は時系列が逆並び(最新が一番上)のケースもあるので見誤らないよう注意しよう。

下の画像は、みずほ銀行の紙の通帳。(かなり古いので現在のものとは違うかも)

   

   

■ズレる原因


通帳と会計ソフトの残高がズレる原因はいくつかある。
もちろん会計ソフトの登録に問題がある。

(1)取り込んだ通帳の取引を全部登録していない

クラウド会計に取り込んだ通帳明細を登録せず削除(無視)している。
つまり取引登録が抜けている。

(2)取り込んだ明細を全部登録したうえで手動で登録もしている

自動連携で取り込んだ明細を登録したうえで、さらに手動でも通帳の取引を登録している。
つまり二重登録。

(3)振替の取引が重複している

銀行口座間のお金の移動などは、相手側の口座でも取引を登録するので二重登録となっている。

(4)期首残高が異なる

期首(個人事業主は1/1、法人は事業年度開始日)の『普通預金』残高が通帳とちがう。

   

   

■銀行残高が合ってなかったら

≪freeeの場合≫

タイムライン」機能により、どこに差異があるかチェック・修正できる。

  

≪マネーフォワードの場合≫

(1)残高照会(上位プランのみ)

取引管理>残高照合 から仕訳の追加登録等ができる。

   

(2)データ明細のチェック&通帳と見比べ(全プラン)

まずは、取引の登録漏れがないかチェックする。
・メインメニュー[データ連携]>[登録済一覧]>該当の口座の「明細一覧」を[閲覧]

次に、登録漏れが無ければ、補助元帳と通帳を見比べて差異を探して修正する。
(各月末残高からチェックするのがおすすめ)

   

   

■なにはなくとも銀行残高は合わせよう

通帳の数字はとても心強い。
こういったわかりやすい正解があるものは意外と少ないのだ。

  

そして、
銀行残高を合わせれば、銀行口座で入出金した取引の数字にも間違いが無くなるので、
ほかの勘定科目の数字も合ってくる。

  

だからなにはなくとも、
まずは銀行残高を合わせよう。

   

  

***
≪あとがき≫
会計事務所では銀行残高から合わせていくことが多いです。
やはり「正解」の数字があるので合わせやすいのです。

銀行残高が合わない原因の前段階として、
・合わせることを知らない
・残高が会計ソフトのどこにのっているのかわからない
・総勘定元帳の見方を知らない
などがあるのではないかと。

特に個人事業主でクラウド会計を使うと、取引登録から申告まで一気にできるものの、
勘定科目残高を確認せずに進めてしまっていることもあるようです。ご注意を。

   

≪さいきんのあたらしいこと≫
・ハムステッドティールーム(青葉通一番町駅の。英国の雰囲気が最高)
・珈琲倶楽部 仙台カフェRaizō(南仙台駅の。昔ながらの地元に根付いた喫茶店。居心地よし)
・ルピシアのブックオブティー・アンテネ(いろんな夏の紅茶が楽しめます)

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