スポンサーリンク

2020/10/28

平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』を読みました。


   

人間にはいくつもの顔があります。

あなたにもあるはずです。

では、どれが「本当のあなた」ですか?

その問いに、本書ではこう答える。

たった一つの「本当の自分」など存在しない。
裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である。

対人関係ごとに見せる複数の顔のひとつひとつが”分人”です。

人間の基本単位を
”個人”よりも一回り小さな単位である”分人”で考えよう

というのが『分人主義』。

わたしは最初、この本には
「ひとりの個人の中にも人格は複数ある」という話が書かれているのだと思ってました。

しかし、さらに先に進んだ話が書かれていたのです。

好きな分人が1つでも2つでもあれば、
そこを足場にして生きていけばいい。

ハッとさせられました。

本書に書かれているように、世界の見え方が一変しました。

・Aさんといるときの自分は誠実で好ましい。
・Bさんといるときの自分はいつも自信なさげで好ましくない。

このようなときに「Aさんといるときの自分」が自分を肯定する入口になります。

  

    

「収入の柱は複数あるほうがいい」といわれますが、
”分人”という人格の柱も複数いれば、
そのどれかを足場にして生きていける。

   

自分の全部が好きになれなくても、
自分の中に好きな”分人”がいれば、それでいい。

   

”本当の自分”を無理やり一人にまとめようとしたり、
一貫性のなさに悩んだりしなくてもいい。

   

    

気持ちが楽になりましたし、
生きやすくなった気がしました。

自分と関わる人たちにも、
「本当のあの人は一体・・・」などと考え込む必要もない。

     

この『分人主義』の考え方が、もっと広まるといいなと思います。

肩から力が抜けるように
ほっとする人もいるのではないでしょうか。

    

***

≪あとがき≫

以前、育児関連のセミナーで
「こどもに、家と学校以外の場所を作ってあげるといい。習い事でもサークルでも何でもいいから」
という話を聞いたことがあります。

今回”分人”を知って、改めて深く理解しました。

こどもが小さいうちは、
新しい環境や新しいコミュニティへの参加を
こども自身が選ぶことは難しいです。

好きな”分人”を生む場所を、与えることも親の役目なんだなあと。

   

≪あたらしいこと≫
なかおのマドレーヌ

***

スポンサーリンク


★お読みいただきありがとうございました! ご依頼・ご相談はこちらから↓↓↓お願いいたします。 ※鈴木靖子税理士事務所のHPへとびます。 ------------------