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2020/6/30

今年度の税制改正で、
低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の特例が創設された。

この特例は、
2020年(令和2年)7月1日から2022年(令和4年)12月31日までの間の
譲渡(売却)について適用される。

※低未利用土地とは、
居住の用、業務の用その他の用途に供されておらず、又はその利用の程度がその周辺の地域に
おける同一の用途若しくはこれに類する用途に供されている土地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められ
る土地とされています(土地基本法13④)。

※低未利用土地等とは、
低未利用土地または低未利用土地の上に存する権利を指します。

   

   

相続空き家の3000万控除もそうだが、
地方部を中心に、全国的に空き家・空き地が増加しているのが問題視されている。

その原因のひとつとして、
低額な不動産取引の課題があった。

それは、
・想定したよりも売却収入が低い
・相対的に譲渡費用(測量費、解体費等)の負担が重い
・様々な費用の支出があった上に、さらに譲渡所得税の負担感が大きい
といったものだ。

これにより
土地を売らずに低未利用地(空き地)として放置している個人も多い。

そこで、
売るときの負担感を軽減し、
土地に新たな価値を見出す者への譲渡を促進する目的で
低未利用土地等を売った場合には
100万円の特別控除をする特例が創設されたのである。

   

しかし、簡単に使える控除ではない。

低未利用土地等であることについて市区町村から確認書を取らなくてはならないし、
買主の利用についても確認書を取らなくてはならない。

   

●主な適用条件

低未利用土地等の特別控除を受けるための主な適用条件は次の通りです。

   

(1)売主が個人

(2)都市計画区域内にある低未利用土地等であることにつき、市区町村長の確認がされたもの

(3)譲渡の後の低未利用土地等の利用について、市区町村長の確認がされたもの

(3)譲渡年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの

(4)売却価格が500万円以下

(5)2020年(令和2年)7月1日から2022年(令和4年)12月31日までの間の
譲渡(売却)

   

●市区町村から確認書を交付してもらうには

   

適用条件に”市区町村長の確認がされたもの”とあります。
これはつまり、市区町村から確認書を交付してもらうことが要件となっているのです。

市区町村から確認書を交付してもらうには、
売買契約後に必要書類を用意して市区町村へ提出します。

各提出書類は以下の通りです。

  

≪低未利用土地等であることの確認≫

■「低未利用土地等確認申請書」の用紙
※国土交通省「低未利用土地等の譲渡に係る所得税及び個人住民税の特例措置の適用に当たっての要件の確認について」に申請書の様式があります。

■売買契約書の写し

■以下のいずれかの書類

 ・所在市区町村等が運営する空き地・空き家バンクの登録が確認できる書類
 ・宅地建物取引業者が、現況更地・空き家・空き店舗である旨を表示した広告
 ・電気、水道又はガスの使用中止日が確認できる書類
 ・その他要件を満たすことを容易に認めることができる書類

   

≪譲渡後の利用についての確認≫

■「低未利用土地等の譲渡後の利用について」の用紙
※上記の国土交通省のページに様式があります。

   

≪その他の要件の確認等≫

■申請する土地等に係る登記事項証明書


   

宅建業者を通すか否かにかかわらず、
「低未利用土地等の譲渡後の利用について」の用紙を買主に書いてもらい、
市区町村へ提出しなくてはなりません。

事前に買主に低未利用土地等の特例を使うことは伝えておき、
購入後に土地等を利用することを確認したうえで
契約時に申請様式へ署名を求める、といったことが必要になります。

よって、確定申告の時になって
書類を集めようとしても難しいので、
売買契約前からのご準備を。

   

  

***

≪あとがき≫
というわけで、低未利用土地の特例、明日からですね。

100万控除で長期譲渡になりますので、
所得税住民税合わせて約20万円税金が安くなります。

宅建業者、つまり不動産屋さんを通した方がスムーズだろうと想像します。
ちなみに宅建業者の報酬の規定もあり、
売却額が400万以下の場合18万までならOKということらしいです。

この金額でどこまでやってくれるかなあ・・・と思ったり。

   

≪あたらしいこと≫

塩だけの味付けの料理

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