カード会社の利用明細書と領収書等は一緒に保存がベスト

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2019/10/8

クレジットカードでの支払いに関しては、
カード会社が1か月分ごとに利用明細を一覧にしてまとめてくれる。

これがあれば経理資料としては十分?領収書は捨てていい?

と聞かれることがありますが、
まてまてまてまてまてーい。

●カード会社の利用明細書だけじゃ足らない

国税庁の質疑応答事例で、
カード会社からの利用明細書で事足りるかどうか、という話があります。

国税庁の回答では以下のようになっています。

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、
そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が
作成・交付した書類ではありませんから、
消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。

 しかし、クレジットカードサービスを利用した時には、
利用者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が、
「ご利用明細」等を発行しているのが通常です。
 この「ご利用明細」等には、
(1)その書類の作成者の氏名又は名称、
(2)課税資産の譲渡等を行った年月日、
(3)課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、
(4)課税資産の譲渡等の対価の額、
(5)その書類の交付を受ける者の氏名又は名称
が記載されていることが一般的であり、
そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm

これ、気を付けないといけないのは、
国税庁は、カード会社が1か月分ごとにまとめる利用明細の一覧表については
”請求書明細等”と呼んで
おり、
それではダメだと言っているのです。

そして国税庁が、”「ご利用明細」等”と呼んでいるのは、
店頭でクレジットカードを使ったときに
そのお店が発行するレシート等を指します。

そうなりますと、国税庁は、
実際にサービスや販売をした事業者が発行した明細で、かつ
(1)から(5)のことが書いてある書類ならOK
と言っている、と考えられます。

その一方、

カード会社は一覧表のことを『ご利用明細書』などと呼んでいるので
紛らわしいですよね。。

  

●税率が変わり、軽減税率も出てきて、ますます足りない

2019年10月1日から消費税が10%と8%の複数税率となりましたね。

それに伴い、
消費税の仕入税額控除(仕入先等に支払った消費税相当額を売上の消費税から差し引く)の
要件は、
請求書等保存方式から区分記載請求書保存方式に変わりました。

つまり、消費税の課税事業者については、
「区分記載請求書」および「帳簿」の保存が
必要
となったのです。

「区分記載請求書」とは、以下の記載要件を満たすものです。

New!となっている部分が、以前の「請求書等保存方式」からの変更点です。


■発行者の氏名又は名称
■取引年月日
■取引の内容
■受領者の氏名又は名称
■(New!)軽減税率の対象品目である 旨(「※」印等をつけることにより明記)
■(New!)税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)

特にこの変更部分は
カード会社の一覧表ではさっぱりわかりませんね。

  

●今年(2019年)9月・10月の取引は特に注意

基本的に、
消費税の税率は売上側が何%を適用しているかで決まります。

カード会社の一覧表ではご利用日が10月になっていても、
売上側は旧税率(8%)を適用している可能性もあり、
その逆もあり得ます。

なのでレシートやAmazon等の注文履歴をよく見てくださいね。

よろしければ前回のブログ、Amazonの領収書はまとめて印刷できる。楽天やYahoo!は?

もご参照いただければ幸いです。

そして旧税率(8%)と、軽減税率(8%)は、
同じパーセンテージですが、
この8%に含まれる国税と地方税の内訳が異なり、
申告書でも分ける必要があるので
当然ながら帳簿にも分けて記載してください。
(会計ソフトでは税率の選択ができるようになっているはずです)

つまり当面は
標準税率(10%)、軽減税率(8%)、旧税率(8%)の
3パターンを分ける、と。

ふー。

  

●免税事業者だから関係ない?

消費税の免税事業者であれば、
消費税をパーセンテージごとに分けて記載する必要は無いです。

だからといって、カード会社の一覧表だけでは不足しています。

そもそもカード会社の一覧では
サービスや商品の内容が具体的に書かれていませんからね。いったい何の料金なのかわからければ証拠としては不十分なのは明らかでしょう。

そして、『帳簿書類の整理保存』の義務というものが
青色申告者にはあります。

個人事業主なら所得税法施行規則第63条1項、
法人なら法人税法施行規則第59条1項
に保存するものとして以下のものが定められています。

「取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、
領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び
自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し」

というわけで、
免税事業者のみなさまにおかれましても
カード会社の利用明細書と領収書等は一緒に保存がベスト

という結論でお願いいたします。

 

***
補足としまして
「請求書等保存方式」から変わらない点を
政府広報オンラインから抜粋させていただきます。

(参考)「請求書等保存方式」(~令和元年(2019年)9月)から変わらない点

・「区分記載請求書」には、一定の記載事項を満たす領収書や納品書、小売事業者等が交付するレシートなど取引の事実を証する書類も含まれます。

・「区分記載請求書」の交付義務及び交付した「区分記載請求書」の写しの保存義務はありません。

・「区分記載請求書」及び「帳簿」の保存が仕入税額控除(仕入先に支払った消費税相当額を差し引く)の要件となります。

・支払対価の額が3万円未満の場合や「区分記載請求書」の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、必要な事項を記載した「帳簿」の保存により仕入税額控除をすることができます。

  ご参考までに。

  

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