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債権と見られない額

2013年7月8日

最近、消費税や相続税が騒がしいですけれども、法人税について思い出したのでここでひとつ。

結構前ですが、クライアントが金融機関から融資を受ける際に、
銀行員の方から『実質的に債権と見られない額』について質問を受けたのです。

ここでまず、貸倒引当金についてお話します(詳しい方は「一括貸倒引当金」の方のイメージで)。

貸倒引当金とは、回収不能の恐れがある売掛金などの債権について、その損失金額を合理的に見積もり、費用として計上するものです。
(貸倒引当金の計上は平成24年4月1日開始事業年度以降、原則計上廃止されましたが
中小企業等についてはいままでどおりの計上が認められています。)

税金を計算する場合には、貸倒引当金の費用計上が認められる限度額が決められているので、
税務署に提出する申告書にその限度額の計算明細を添付する必要があります。

その明細に、『実質的に債権と見られない額』の記載があるのです。

『実質的に債権と見られない額』とは、一つの取引先について債権と債務が両方ある場合の相殺できる金額のこと。
たとえばA社に対して売掛金100と買掛金40が期末に残っていたら、
A社が倒産しそうでも、40は買掛金と相殺してチャラにできますから、
貸倒の心配があるのは60のみとなります。

この40が『実質的に債権と見られない額』です。
絶対貸倒しない金額とも言えます。
だからこの金額は除いて貸倒引当金は計算します。

申告書の明細でそれを見た銀行員(おそらく新人)が、
「『実質的に債権と見られない額』は不良債権ではないんですか?こんなにあるんですか?」
という感じで聞いてきたのです(腰は低い感じでしたけれども)。

「んなわけないだろ!」

とは言いませんでした。はい。

たしかに字面だけ見ればそう思うのもうなずけます。
けれどもこれを不良債権だと思われて融資が通らなかったら大変です(そんなことはないと思いますけど)。

というわけで、銀行が不良債権をとーぜんながらひじょーに気にしているということはよくわかりました。

貸倒引当金を試算表に計上している会社は、融資を受ける前に確認しておくとよいのではないでしょうか。
変な疑いをかけられないように。