カテゴリー別アーカイブ: 相続税

金の仏鈴

2014年12月2日

12月に入って寒さが増しましたね。
今日は冬コートを出して、すっかり冬装束になりました。

さて、
相続税の基礎控除引き下げとなる平成27年1月1日まで
1ヶ月を切りました。

ここのところ
相続税対策にと、金の仏具等を購入する人が増えているとか。

なぜかというと、
「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物」は、
相続税がかからない財産として規定されているからです。

なので、
現金をこれらのものに代えておこうと考える人がいるわけですね。

インターネットで少し調べてみましたが、
純金の仏鈴が高いもので300万くらい。

相続税対策が必要なお金持ちの人は、
これくらいじゃあ不十分なんじゃ・・・。

インターネットで公開していないような
もっと高額なものもあるのでしょうが、
そんなものは税務署が黙っていません。

国税庁のホームページには
「 ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや
商品として所有しているものは相続税がかかります。」
と、断り書きがきちんと掲載されています。

行き過ぎた節税はやはり認められないということですね。

それにしても、
300万で購入した仏鈴は、
売却するときはどの程度の価格になるのかしら?
金の価値が上昇していればそれなりになるのかなあ。。。
損する可能性の方が高い気もしますが
どうなのでしょうか。

姻族関係終了届の役割

2014年11月26日

『姻族関係終了届』というものがあります。

これは、配偶者が無くなった後に、
配偶者の血族と縁を切りたいときに提出する書類です。

期限などはありませんし、
本人(配偶者を亡くした人)の意思のみで自由に決めることができ、
配偶者側の血族にお伺いを立てる必要はありません。

例えば
夫に先立たれた妻が、
夫の両親の扶養義務から逃れたい場合などに提出するようです。

(死別ではなく、離婚であれば自動的に配偶者との姻族関係は消滅します)

『姻族関係終了届』について
いろいろ調べてみましたが、
配偶者の遺産を相続する際も関係ないですし、
遺族年金の受給もできるようです。

また、寡婦(夫)控除についても条文を読む限り
影響が及ぶものではないと思われます。

さらに言えば、
その配偶者との間にできた子供にも何も影響しません。

となるとやはり、
配偶者側の父母・兄弟姉妹などの扶養義務を消滅する役割しかない書類のようです。

でも扶養義務って相互に発生するはずのものなのに、
提出できるのは片側だけってのも変な話ですね。

改製原戸籍謄本の緊張感

2014年11月19日

相続の手続きには
『戸籍謄本』が必要となることをご存知の方も多いと思いますが、
『除籍謄本』、『改製原戸籍謄本』も必要となります。

『戸籍謄本』は、
通常は現在のことが記載されています。

『除籍謄本』は、
結婚、離婚、死亡、転籍(本籍を他に移すこと)などにより
その戸籍に記載されている人が全員いなくなった状態のものです。

そして、
『改製原戸籍謄本』とは、
法が改正される前の戸籍のことです。

今まで戸籍法の改正による戸籍様式の変更が何度かあり、
新しい様式に作り替えられてきました。
その際に、
全ての記載事項が新様式へ移されたわけではなく
その時効力のある事項(除籍事項以外)のみが移されたのです。

なので、
『改製原戸籍謄本』には
相続人が今まで知らなかった
亡くなった方の離婚歴や子どもなどの情報が出てくることがあるそうです。

「父は何も言ってなかったけれど
会ったことのない兄弟姉妹がいたら、、、」

戸籍の取寄せは相続手続きの基本ですが、
はじめから緊張する作業ですな。。。

貸駐車場の評価と砂利

2014年11月12日

久しぶりに実家に帰省しましたら、
周りの環境もいろいろ変わってまして。
古いお家が無くなって
駐車場に変わっているところもちらほら。

一般の月極の駐車場を相続税の観点から見てみますと、
その土地は、
 種類:土地
 細目:雑種地
 利用区分等:自用地

そして土地の上に敷いているアスファルト等は、
 種類:建物
 細目:構築物
 利用区分等:駐車場

となると思います。

被相続人(亡くなった人)が
生前その駐車場で貸付事業を行っており、
相続税の申告期限までに親族がその駐車場を相続して貸付事業を引き継いだ場合には、
小規模宅地等の特例の適用が受けられます。

この特例の適用が受けられれば、
駐車場の土地評価を最高200㎡まで50%減額できます。

ただし、
小規模宅地等の”宅地等”とは、
建物又は構築物の敷地の用に供されているものをいいますので、
青空駐車場などは適用できません。

ここが悩ましいところで、
私の実家の近所の駐車場は砂利敷きのところが多いんです。

砂利も一応構築物なのですが、
どの程度敷いてあるかにより取扱が異なります。

砂利を敷いたのが何十年も前で地中に埋没していたことから、
構築物とは認められず、
小規模宅地等に該当しないとされる裁決もありました。

駐車場として土地を貸しているからといって
単純に評価が下がるわけではないので
注意しなくてはなりませんね。

遺言書の二重封筒

2014年10月31日

10月最終日ですね。
あ、ハロウィンですか?今日は。

ちょっと前にカボチャのケーキを食べました。
ハロウィンらしいことはそれくらいかなあ・・・

ところで、
『遺言書の二重封筒』
というのをご存知ですか?

遺言書の封筒を開けてしまったら
遺言書が無効になると言われていますよね。

特に自筆証書遺言は、勝手に封筒開けるのは良くありません。
家庭裁判所に持って行って検認という手続きを経ないといけません。

でも、
遺品を整理しているときに「遺言書」と書かれた封筒が出てきたら、、、
誰だって封を開けて中を見たくなるでしょう。

または、開けてはいけないことを知らずに
うっかり開けてしまう人もいるかもしれません。

そんな身内のうっかり対策に、
『二重封筒』なのです。

これは、
”遺言書”と書いた封筒の中に、
さらに別の封筒に入れた遺言書を入れておき、
「これは遺言書だから、このまま開けずに家庭裁判所へ持って行きなさい」
というようなメモを貼っておくというもの。

これを知ったときは
ナイスうっかり対策だなあ、と妙に感心しました。

自筆証書遺言ではなく、
公正証書遺言なら家庭裁判所の検認は必要ありませんけども。

蛇足ながら、
自筆証書遺言をもし開けてしまったら、
本当に遺言は無効になるのかというと
必ずしもそんなことはないようです。

でも色々問題があるようなので、
自筆証書遺言をお考えの方は、『二重封筒』にしてみたらいかがでしょう。

財産を見せる覚悟

2014年10月24日

半年くらい前に「マルサの女」をレンタルして観ました。
久しぶりに観たらやっぱり面白かったです。

映画では、
調査対象の納税者の自宅で、
マルサの女が金融機関のカレンダーかメモ帳などから
付き合いのある銀行を指摘してたシーンがあったように思います。
(ちょっと違ったかもしれませんが)

これ、実際の税務調査でもよくあることらしいです。
特に相続税の調査で。

相続税の申告の場合、
亡くなった人の財産を計算するので、
亡くなった人がこっそり色々資産運用とかしてると
それを全部把握するのは非常に手間がかかります。

なので相続税申告の依頼を受けた税理士は
申告漏れがないよう
税務署並みに、調査していかなくてはなりません。

今月号の『税理』で
そんなことが書かれていました。

仏間を見て、
寄付金の感謝状があれば
その資金の出所をチェック。

香典帳に金融機関や証券会社の名前があればチェック。

映画のように
自宅内のカレンダー、ティッシュなどに
把握していない金融機関のものがあればチェック。

などなど。

税務署並みの調査・・・ていうか警察並みの調査が必要なんじゃないか?
と、読んでいて思いました。

だから依頼主側も
それをされる覚悟で依頼しないといけないですよね。

亡くなった人の通帳はもちろんのこと
その家族の通帳も提示するのなんて
基本中の基本ですし。

どの税目の申告書でもそうですが、
納税者と税理士が協力し合ってこそ
正しい申告ができるというものです。

海外の共有名義口座の相続

2014年10月16日

結婚すると、
将来に備えて夫婦共有名義の口座を作って貯蓄しようか、
などと考えたりします。
我が家でもそんな話が出ました。

でも、日本では共有名義の銀行口座って作れないんですね。

ところが海外では作れるんです。
それがジョイント・アカウントと呼ばれるもの。

このことについて
今月の『税理』に相続時の税務トラブルの特集で書かれていました。
税理 2014.10

亡くなった方が海外の銀行口座を持っていた場合、
その口座の預金を相続するには
プロベートという裁判手続きが必要になることがあります。
外国語でのやり取りとなりますし、弁護士費用等もかかるため、
口座の中のお金は結局放置されたままになってしまうこともあるとか。

そこで、この裁判手続きを回避するために
複数の共有者名義の預金口座であるジョイント・アカウントを利用する人もいるそうです。

ジョイント・アカウントならば、
共有者の一人が亡くなった場合でも、
自動的に他の共有者がその持分を保有することになります。
(ただし、それでも解約や日本への送金に手間がかかり、実際手元に引き出せないこともあるらしい)

しかもこれ、相続財産として計算するのも結構手間のようで。

口座の共有者は自由にその口座に入っているお金を出し入れできるわけですから
入出金の度に贈与しているようなもんです。

だからなのか
「ジョイント・アカウントには日本の相続税がかからない」
という業者のウソの呼びかけがあり、
国税庁が注意を呼び掛けているそうな。

まあ、そんなうまい話があるわけないですね。

財産の移転があれば、
税務署が目を付けないわけはありません。

『税理』には、
”あらかじめ将来の相続と課税問題を想定しつつ、
当該財産の取得・保有状況等を整理しておくことが
課税トラブルの防止につながると考える”
として、
国外財産調書(確定申告書に添付する)の記載による意思表示を提案していました。

うーむ、なるほど。

富裕層は特に海外口座を開設される方が多いようですが、
いろいろ面倒なんですな。

高裁判決により取扱変更した保険金の受給権

2014年10月10日

あ、今日は体育の日だった日じゃないですか。

去年も同じこと言いましたが。

ところで、
相続税法の、年金払いの生命保険金に関する受給権の取扱が変更されました。

これは東京高裁判決につき、国税庁が公表したものです。

こういった判決により国税庁が取扱変更を公表するのは最高裁判決だけかと思ってましたが、
高裁判決でもあることなんですね。

今回の場合は、国側の請求を棄却する東京高裁判決があり、
それについて国が上告しなかったので、
国側が認めたも同然ということになるからかな?

これまでは、
年金払いにより支払われることが定められた生命保険契約で
相続開始時に種類・支払期間・支払総額・年間支払額等が定まってない場合には、
その保険金の受給権について時価評価するものとして取り扱われてきました。

変更後は、
上記のような生命保険契約であっても、
契約者が年金払いの方法により死亡保険金の支払いを受ける契約を締結し、
かつ、
死亡保険金の支払事由発生後に受取人が年金の種類・受給期間等を指定することが契約により予定されている受給権については、
受取人が相続開始後、受給開始前に指定を行ったことにより確定した年金の種類・受給期間を基礎として
相続税法24条「定期金に関する権利の評価」により算定することとされました。

ややこしいですね。

そんな保険契約があるのか、、、。

変更後の取扱は5年遡って適用するそうです。

じつは
相続税法24条「定期金に関する権利の評価」については少し前に改正があったばかりで、
相続開始が平成23年3月31日以前の場合、現在とかなり評価方法が違います。

なので遡及適用により還付の可能性が出てくるのは
平成23年3月31日以前に相続があった場合の方が多いんじゃないかしら。

お心当たりのある方は更正の請求をしましょう。

寄与分って簡単じゃない

2014年9月9日

先週末に漫画『海街diary』を古本屋で大人買しました。
この漫画、やたらと相続の話が出てきます。
海街diary

そこで、寄与分について
チラッと、
ほんのチラッと出てきたので調べました。

寄与分とは、民法904条の2に規定されています。

(寄与分)
第九百四条の二
 共同相続人中に、
 被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、
 被相続人の療養看護その他の方法により
 被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、
 被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から
 共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、
 第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

つまりは、亡くなった父親の会社を無給で手伝っていたとか、
ずっと寝たきりの状態を介護していたとか、
そういうことをしていた相続人が、
本来相続できる相続分にプラスして財産がもらえる制度ということですね。

寄与分については
まずは相続人間の話し合いで決めることになります。
でも話し合いがまとまらなければ
家庭裁判所に調停や審判を申し立てて決めます。

しかしながら、
寄与分って裁判所で簡単に認めてくれるものではないようなんですね。

家族なんですからお互い助け合うのは当然。

ちょっと家の仕事を手伝っていたとか、週何回か食事を用意しに行っていたとか、
その程度では寄与分とは認められないらしいのです。

特に配偶者については、夫婦なんだからお互いの面倒みて当然。
寄与分を認めてもらうのは、子供よりもハードルが高い。

しかも寄与分が認められたとして、
金額にするといくらか?

その算定については
「寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。」
と条文には書かれております。
具体的にいくらとは決まってない。

なので、
無給で事業に貢献していたら給与相当額、
介護をしていたらヘルパー代相当額など、
算出方法はいろいろあるようです。

普通に相続人間の話合いで決着する場合はよいですが、
家庭裁判所で調停や審判となれば
心穏やかではないですね。

亡くなった人への貢献度を主張して他の相続人より多く財産をもらおうということなのですから、
やはり寄与分は簡単じゃないです。

土地の相続税は経費に落とせるか

2014年1月22日

相続で取得した土地を3年以内に売った場合は
所得計算の際に
土地分の相続税を取得費に加算することができます。

相続税を経費に落とせる、ということです。
その分譲渡益が減るので税金が減ります。

「3年以内」というのは
相続税の申告期限から3年以内という意味ですから、
相続開始日(ふつうは死亡日)の翌日から3年10カ月以内に売却した場合に限られます。

というわけで
相続した土地を近いうちに売るつもりなら
3年以内に売った方がお得かもしれません。

これは「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」というものですが、
27年1月1日以後に開始する相続又は贈与により取得したものについては改正があります。

改正内容は、
 取得費に加算する相続税は、
 売った土地に対応する分だけにします
というもの。

そりゃそうでしょうね。
という感じなのですが。

では現在はどうなっているかというと、
 取得費に加算する相続税は、
 その人が相続した全ての土地に対応する分でいいですよ
ということになってるのです。

A土地とB土地を相続し、相続税を払って、
それから3年以内にA土地だけ売って譲渡所得を申告する場合、
A土地の取得費に
B土地を相続するために払った相続税も加算できるのです。

これ、B土地の方が財産価値が高い場合はかなり有り難い特例ですよね。

なぜか土地だけは太っ腹(?)だったのです。
私の受験時代にもこの特例はあり、
試験対策の要注意ポイントでした。

今回改正が入りますので、
26年12月末までに開始した相続により取得した土地は太っ腹な現行法の適用となります。

しかし未だになんで土地だけこんな風にしてたのかわからん。