消費税の益税問題

2013年8月23日

消費税法では、
事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある。
と、消費税の納税義務者を規定しています。

事業者とは、個人事業主や法人ですね。
課税資産の譲渡等とは、ざっくり言うと、消費税のかかる売上のことです。
これを消費税の課税売上と言います。
国内で商売していれば、ほとんどが該当します。
なので、国内のほとんどの事業者は、原則として、消費税を申告・納付する義務があります。

そもそも消費税というのは、消費者が負担する税金です。

よって、事業者が売上で受取る消費税は預った税金。
事業者が仕入等により支払う消費税は仮払いした税金。

消費税を申告する際は、預った分から仮払いした分を差し引いて納付します。
これが「原則課税方式」の考え方です。

消費税の納税義務者は次の3タイプに分かれます。
・免税事業者
・簡易課税方式で申告納付する納税義務者
・原則課税方式で申告納付する納税義務者

このタイプ分けに、消費税が「益税(えきぜい)」と非難されるポイントがあります。

まず、免税事業者は消費税の申告・納付をする必要がありません。
2年前の事業年度の課税売上高が1000万円以下なら免税事業者になれます。
(事業年度が1年ごとの場合。以下同様)
売上で預った消費税が30万、仕入等で支払った消費税が10万の場合、
原則課税方式では
30万円-10万円=20万円を納付することになります。

しかしながら、免税事業者はこれを納付する必要がないため、
預った消費税が20万円、手元に残るわけです。
20万円お金が増えたわけですね。
これこそが利益になる税金、益税と呼ばれる所以です。

続いて簡易課税方式で申告納付する場合。
2年前の事業年度の課税売上高が5000万円以下の事業者に限られますが、
原則と簡易のどちらか有利な方式を選択することができます(多少制限はありますが)。

簡易課税方式とは、仕入等により支払う消費税を簡便的に計算する方法です。

預った消費税-預った消費税×みなし仕入率=納付する消費税

みなし仕入率は事業の種類により50%から90%まで5段階に定められています。
この業種であればこのくらいの仕入があるだろう、という率です。
 卸売業:90%
 小売業:80%
 製造業等:70%
 その他の事業(飲食業など):60%
 サービス業等:50%

例えば、不動産仲介業のみなし仕入率は50%です。
200万円の預った消費税があれば、
200万-200万×50%=納付税額100万円となります。
でも、不動産仲介業の経費は給与等の人件費が大きく割合を占めています。
給料等は消費税不課税ですので、仮払する消費税はありません。
よって実際は200万×50%=100万も仮払した消費税はないことが多いです。
実際に仮払した消費税が70万だとすると、本来は納付税額が130万になりますので、
30万円お金が増えたことになります。

そもそも免税事業者や簡易課税制度は、小規模な事業者の事務負担を軽減するための措置でしたが、
事業者に思わぬ恩恵を与えてしまったのです。

これが問題視されて、平成26年4月1日以後に設立される大規模事業者等の子会社は、2年間は免税事業者になれないこととなりました。
みなし仕入率も見直しが検討されています。

税率が上がったら益税の額も上がってしまうので、
こうしてあれこれ対策が練られていますけれども、
消費税法はややこしくなるばかりで、
ミスを誘う税法となってる気がします。

消費税の益税問題” への1件のフィードバック

  1. 消費税率が明日から8%に増税になりますが、私は、ますます消費税を預かったまま
    納税しない業者(中小業者)が増える事は間違いないでしょう。
    最初に消費税を導入した時に、フランス式の「インボイス方式」を導入すべきと考えてましたが、懸念していた通り益税とされる額が膨大の額になっています。
    今からでも遅くは無い早急に益税防止対策(罰則強化の法的対応措置)を講じなければ
    消費税を納めている一般大衆消費者の怒りが爆発するでしょう。

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